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のぼうの城 上 [活字中毒のトモ]


のぼうの城 上 (小学館文庫)

のぼうの城 上 (小学館文庫)

  • 作者: 和田 竜
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/10/06
  • メディア: 文庫


映画を観ておもしろかったので、原作を買ってみました。

時は豊臣 秀吉の天下の時代。秀吉がそろそろ全国を平定しようという頃
多数の軍勢を引き連れた秀吉に、たった 500 の兵で抵抗を試みた城がありました。
今は埼玉県の行田市にある忍城(おしじょう)です。
当主の氏長は、秀吉には逆らわないよう申し付けて、
自分は北条氏について小田原城で篭城したのですが
城代を務めたいとこの長親(通称「のぼう様」)は、何を血迷ったか開戦を選択します。
いつもは農民と農作業をこよなく愛し、何をやっても役に立たない「でくのぼう」ののぼう様。
どんな秘策があって、勝てる見込みのない戦を決意したのでしょうか・・・。

歴史小説なんて読んだのは、本当に久しぶりです。
小説として面白いかといわれると、良く分からないというか・・・
登場人物の台詞がけっこう口語体で、昔の話し方ってこんなものだったのかしら
実際に聞いたわけではないけど・・・と若干の違和感を持ちました。
映画を先に観てしまったので、話の内容はもう分かっていたからか
筋書きよりも、映画と比較してどこが違うのかにフォーカスが当たってしまったので
原作を先に読んだ人の感想とは、ちょっと違うと思います。

原作を読むと、映画の出来の良さが良くわかりました。
ものすごく原作に忠実に作られています。
1 点、のぼう様が大男でない以外は。
ですが、のぼう様はやっぱり、野村 萬斎さん以外にできる人はいないでしょうね。
船の上であんなふうに田楽を踊れるのは、今の世の中彼しかいないでしょうし
田楽踊りの振り付けや歌詞は、すべて萬斎さんの創作ということで
彼がのぼう様を演じたから、映画が最高に良い出来に仕上がっていると思いました。
ただの大男じゃダメなのです。



一方、原作ののぼう様はというと、本当にうだつの上がらないただの大男で
人をまとめる器が大きい良将というと言いすぎで、
あまりにでくのぼうだから、みんながサポートしてくれるような人でした。
こういう人を上司に持つのは、私は嫌いではないです。
自分が出来ないことを良くわかっていて、部下を頼ってくれるんですから。
出来る部下から見ると、ただの「でくのぼう」だと思うのですが
部下の仕事の邪魔をしないどころか、才能を頼りにしてくれる人なので
「器が大きい」と言われるのでしょうね。
「アホか。俺がいなけりゃ何にもできないくせに」という部下のぼやきが聞こえてきそうです。

上巻は、のぼう様が戦を決意するところまでが書かれています。
下巻は、いよいよ開戦です。




タグ:のぼうの城
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