超人ナイチンゲール [活字中毒のトモ]
沖縄タイムスで掲載されていた書評を読んで、面白そうだと思って購入しました。
紙の本、久しぶりかも。
著者は栗原 康さん。東北芸術工科大学非常勤講師で専門はアナキズム研究だそうです。
とても口語体の本で、逆にちょっと読みにくいなと思いながら
気が乗るとたくさん読めたりして、なんとか読了にこぎつけました。
読んだ後から思えば、年表もちゃんと書いてあるし、
話の途中でちょいちょい人物紹介もされているところが、親切な本です。
フローレンス・ナイチンゲールが偉業を成し遂げることができたのは
彼女が貴族でハイパーお金持ちだったから、というのは知りませんでした。
昔伝記を読みましたが、そんなあからさまに書いていなかったと思います。
自分の資金を看護に使って、名声を得て集まった基金をさらに看護のために使った。
上手なお金の使い方って、こういうのではないでしょうか。
ナイチンゲールの考えていた病気の定義が
「回復過程であり自然の努力の表れである」というのは初めて知りました。
なんとなく野口 晴哉さんっぽい。
そして彼女が今から 100 年以上も前から、
治療ではなくて未病の大切さを説いていたというのも知りませんでした。
統計学的視点から物事を考えたり、対局を読む能力に長けていたということで
とても頭の良い人だったのですね。
これは家庭に収まって良き夫人となるような人ではない。
彼女と一緒に仕事をする人はほとんどが過労死する、というくだりはちょっと笑えました。
ナイチンゲール自身、それほど体が丈夫だったわけではないのに
なぜ周りの人がそこまで疲弊する?あ、自分が働けない分他人をこき使うのか。
自分の体力以上に脳みそがエネルギッシュだと、そういう感じになるんですね。
そして彼女と生涯並走できる人はいなかったと。
残念な話です。そういう人がいたら、もっと偉業を成し遂げられたはずなのに。
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