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船乗りクプクプの冒険 [活字中毒のトモ]


船乗りクプクプの冒険 (集英社文庫)

船乗りクプクプの冒険 (集英社文庫)

  • 作者: 北 杜夫
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/05/20
  • メディア: 文庫



船乗りクプクプの冒険

船乗りクプクプの冒険

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/03/29
  • メディア: Kindle版


娘からの図書館本又貸しシリーズです。
秋休みに入ったので、本をたくさん借りてきてくれました。
その中の 1 冊がこれでした。
最近、集英社から文庫版が出版されているようですが、
娘が借りてきたのは、下の Kindle 版と同じ絵が表紙に書かれた、
1971 年が初版の新潮社の文庫で、なんと第 50 刷でした。
40 年以上昔から、読み続けられているベストセラーのようです。

北 杜夫さんの著書を読むのは、これが初めてです。
「どくとるマンボウ」シリーズ、読みたいと思っていたのですけれど
なんとなく、今まで手に取る機会がありませんでした。
お兄様の斎藤 茂太さんのエッセイは好きで、何冊か読んでいた。
北さんの本も読んでいていいはずですが・・・何故今まで読まなかったのか
本当に謎です。

この本の主人公は、タローという小学生です。
お母さんが見張っているので、仕方なく机に向かい、宿題をするふりをして
買ってきた本を読み始めます。
その本は、キタ・モリオという人が書いた「船乗りクプクプの冒険」という本でした。
タローは海が好きだったので、海関連の本というだけで
中身を見ないでこの本を買ったのでした。
ところが、読んでみるとお話は途中で終わっていました。
作者のキタ・モリオが続きを書かずに逃げ出してしまったからです。
「このキタ・モリオって人は、まったくひどいやつだなあ」
と本を閉じたタローは、めまいのようなものを感じ、
気が付いたら本の世界に引きずり込まれていました。
そして彼がクプクプとなって、仲間の船乗りと一緒に冒険を始めます。

お話の中身は本当にでたらめで、読了後に残った感想は
「えー、これで終わり?」でした。
子供のころに読んだら、もっと面白かったかもしれません。
それこそ中学生くらいのころに、宿題をさぼって読んでおけばよかったかしら。
登場人物も、でたらめな人たちが多く(フィクションなので、当たり前かも)
ご自分まで登場させて、しかも逃走中なんて、
実は、作者のその時の希望が、そのまま本になっただけでは・・・?
という印象を持ちました。
締切が嫌で、逃げたい気分だったのではないかしら。
当のご本人はすでにお亡くなりになられているので、真相を聞いてみることはできませんが。

解説を含めても、225 ページですので、すぐに読めます。
小中学生が、読書感想文を書くのにお薦めです。
旅の友にもいいかもしれません。







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コメント 2

なおぼんR

ええ、ええ、小学生の時に読みましたよ「クプクプ」
北杜夫さんとは、そんときからのお付き合い…
最後は、ご同様。
「これで、しまいかい?」
子供でも虚を突かれましたっけ。
夏休みに読んだので、夏になるとこの歳でも思い出します。
サイダーとともに。
by なおぼんR (2016-08-01 15:29) 

うしこ

>なおぼんR さん
ご来訪&コメントありがとうございます。

やっぱり感想は「これで、しまいかい?」になりますよね。
このお話が子供にどんなインパクトを与えるのか、
北さん本当に分かっておられたか・・・?
記憶に残るお話という意味では、ピカ一の作品です。


by うしこ (2016-08-08 12:38) 

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