中国化する日本 [活字中毒のトモ]
中国化する日本 増補版 日中「文明の衝突」一千年史 (文春文庫)
- 作者: 與那覇 潤
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/04/10
- メディア: 文庫
今日から 9 月ということで、娘の学校も今日から 2 学期開始です(3 学期制です)
早朝の弁当作り再開ということで、朝の趣味の時間がない生活に逆戻りです。しくしく。
さてこの本は、「いま生きる『資本論』」の中で、佐藤 優さんがちらりと紹介されていた本です。
文庫が出ているので、気軽に購入して読んでみました。
タイトルが意味深な本ですが、通常の期待とはちょっと違った内容です。
タイトルの通り「日本は中国に似てきた」という論が展開されています。
どのようなところが似てきたのかというと、そもそも世界で最初に近世に突入したのは
他でもない宋朝の中国であり、その後中国社会の基本的な構造は
今日までほとんど何も変わっていない。
そのあとを追いかけているのが欧米諸国なのだが
日本はどうかというと、日本人は従来江戸型の閉鎖的な社会に適応していて
ややもすれば戻りたい気分に駆られる。
そのため今まであまり中国化が進んでいなかったけれど、
これからだんだん中国化せざるを得ないだろう、と書かれていました。
宋朝の中国ってどんな世の中だったかというと、
身分制度が取り払われて、科挙によって役人の登用が決まった時代
つまり自由と平等が進んだ時代だそうです。
けれど自由と平等が進みすぎた結果、どんなに勉強して役人になっても
給料はあまりもらえないので、副業としていろいろな手数料商売をするようになり
それがもとで政治は腐敗していくらしいです。
日本も現在「公務員の給料や政治家の報酬をカットしろ」とうるさいですし
そういうことを公約にする政治家が当選しやすい時代ですが
それが行き着くところまで行ってしまうと、本業だけでは食べていけなくなった公務員の間で
汚職がはびこるとのことです・・・お先真っ暗ですね。
歴史を研究してこの結論を導き出すのは、なかなか楽しそうな作業ですが
ただでさえ人間が余っているらしい日本に移民を受け入れようと
声高に叫ぶのはどうかと思いました。
実際移民をたくさん受け入れて、あとで困ったことになっている国はたくさんあると思うので
そうならない方向に努力する方がいいはずでは?
しかし「自由と平等」が行き着く先が中国とは・・・残念な話です。
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