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100年予測 [活字中毒のトモ]


100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 作者: ジョージ・フリードマン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/06/06
  • メディア: 文庫


読書ブロガー Sanchai さんの こちらの記事 を見て、
ストラトフォー が日本語の予測本を出していることを知りました。
ストラトフォー(Stratfor)は、この本の著者ジョージ・フリードマンさんが設立した
アメリカにある CIA 系シンクタンクで、ユニークな分析方法により未来を予測しています。
それが良く当たると評判らしいのですが、真偽のほどは不明。
というのも、「未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ」を数年購読しているのですが
そこで以前からストラトフォーの予測が頻繁に紹介されています。
ところが、それがそこまで当たるという印象はないのです。
しかしヤスさんは継続してストラトフォーの予測紹介を続けていらっしゃいます。
いつか予測がぴったりと当る日が来るかしら。淡い期待を抱き続けてはや数年なのですが
Sanchai さんの記事 はその期待には否定的です。
さてどんな予測なのかといいますと・・・。

地政学をを軸にして、アメリカに抵抗する国はどこか、
そしてアメリカがその抵抗にどのように反応するかを考えると
本書に書かれたような予測が成り立つのだそうです。
地政学・・・今まで個人的にはあまり真面目に考えたことがない分野ですが
国際社会を知る上では、大変に重要な学問のようです。
本書が刊行されたのは 2009 年です。そこから大体 100 年先(正確には 2090 年くらい)
までの未来が予測されています。

フリードマンさんによると、将来的には人口爆発は収束し、移民の取り合いが起こるらしいです。
2010 年代に米ロが対立し、中国は崩壊するようです。
2020 年代初めにはロシアも崩壊、中国は地方主義の時代を迎えます。
この状況を利用して、日本、トルコ、ポーランドが以前の国境を復活させようと
軍事大国になるそうです。

この先は本書をじっくりお読みいただくとしても、これだけだって
・・・そんなアホな、と思いませんか?
絶対にないとは言えませんが、日本がもう 1 度資源をかけてアメリカに挑戦
・・・しないと思います。いくら日本でもそこまでアホじゃないのでは?

フリードマンさんはあとがきで「本書はアメリカを賛美する本ではない」
と釘を刺していらっしゃいますが、アメリカを賛美する本として読まないと
つじつまが合わないというか、アメリカが自分の国を中心に物事を考えると
こういう予測が立つんですね?えらいことだわ・・・というのが本書を読んだ感想です。
おそらくアメリカの政治は、こういう予測を踏まえて、
外交政策などを考えているのではないでしょうか。
ですがチェスだって、1 手読みを誤れば、その後の形勢が全く変わってきますから
近い将来でいうと、中国が崩壊しなければ、はじき出される未来は全く別の物に
変わると思われます。ロシアだって崩壊しなければ、さらに別の未来となるはずです。
今目に見えている物事だけをかき集めると、これらの国はそう簡単には崩壊しないように
見えるんですよね。ですので、予測は当たらないと思います。
生きて現実に何が起こるのか、この目で確かめるのがとても楽しみです。
(さすがに 2090 年は無理でしょうけど)

Sanchai さん、いつも興味深い書籍をご紹介くださり、ありがとうございます。




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Sanchai

この本は、早川書房から出ているという点に意義があると思います。
SF小説として読むと、なかなか面白いかもしれません(笑)。
by Sanchai (2015-04-24 05:12) 

うしこ

>Sanchai さん

早川書房・・・気づきませんでした(驚)SF に強い出版社でしたね。
確かに、すごく細かく、未来の戦争の様子が書かれていました。
そうか、SF だったのか・・・目から鱗です。
by うしこ (2015-04-24 20:02) 

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