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ベロニカは死ぬことにした [活字中毒のトモ]

ベロニカは死ぬことにした

ベロニカは死ぬことにした

  • 作者: パウロ コエーリョ
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2003/04
  • メディア: 文庫


*読みごたえ  80 点
*コストパフォーマンス  90 点

アルケミスト―夢を旅した少年 で一躍有名になった
ブラジル人作家パウロ・コエーリョさんの著作。

ベロニカは、若く美しく、聡明な図書館司書。
なのに世の中のすべてに絶望して自殺を企てます。
ところが。
彼女は奇跡的に意識を回復し、精神病院のベッドで目を覚まします。
さらに、

「意識は戻ったが、心臓に障害が残りました。
1 週間以内にあなたは死にます」

という非常にややこしい宣告を受けるのでした。

死のうと思ったのに死に切れず、
さらに、1 週間じわじわと死ぬのを待ち続ける・・・。
拷問に等しいですね。
死ぬなら死ぬで、スパっと死にたいもんです。

作者はクリスチャンなのかもしれません。
作中、いろいろな表現で
神の存在を疑い
世の中の法律や規律を疑っていきます。

この世の出来事の中で
何が狂っていて、何が正常なのか。
基準が違えば、すべて変わってきます。

世の中にあふれている「規則」や「戒律」、「倫理観」ですら
すべて疑ってかかり
人間の心を解き放とうとする、興味深い 1 冊です。

あとは、日本人受けするかどうかだなぁ。
日本人は、絶対神を信じない人も多いので
世の中の基準に「絶対」はありえないことを
よく知っている民族だと思う。

「こんなの、当たり前じゃん」

で終わってしまいそう。


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