ベロニカは死ぬことにした [活字中毒のトモ]
*読みごたえ 80 点
*コストパフォーマンス 90 点
アルケミスト―夢を旅した少年 で一躍有名になった
ブラジル人作家パウロ・コエーリョさんの著作。
ベロニカは、若く美しく、聡明な図書館司書。
なのに世の中のすべてに絶望して自殺を企てます。
ところが。
彼女は奇跡的に意識を回復し、精神病院のベッドで目を覚まします。
さらに、
「意識は戻ったが、心臓に障害が残りました。
1 週間以内にあなたは死にます」
という非常にややこしい宣告を受けるのでした。
死のうと思ったのに死に切れず、
さらに、1 週間じわじわと死ぬのを待ち続ける・・・。
拷問に等しいですね。
死ぬなら死ぬで、スパっと死にたいもんです。
作者はクリスチャンなのかもしれません。
作中、いろいろな表現で
神の存在を疑い
世の中の法律や規律を疑っていきます。
この世の出来事の中で
何が狂っていて、何が正常なのか。
基準が違えば、すべて変わってきます。
世の中にあふれている「規則」や「戒律」、「倫理観」ですら
すべて疑ってかかり
人間の心を解き放とうとする、興味深い 1 冊です。
あとは、日本人受けするかどうかだなぁ。
日本人は、絶対神を信じない人も多いので
世の中の基準に「絶対」はありえないことを
よく知っている民族だと思う。
「こんなの、当たり前じゃん」
で終わってしまいそう。
2007-06-15 05:32
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