森のなかの海(下) [活字中毒のトモ]
ずっと専業主婦だった希美子は、夫と離婚後
ひょんなことから、奥飛騨にある知人の山荘と広大な土地を相続し
そこへ移り住みます。
そして、全くの成り行きから
縁もゆかりもない子供たちを引き取り、そこで共同生活を始めたのでした。
そうするうちに、知人であった老婦人の過去がどんどん明るみに出ます。
老婦人の、死んだと思われていた息子が生きていて
彼ら家族の数奇な運命を語る場面がメインです。
それと並行して、共同生活をしている少女らが
それぞれ自分の目的を見つけて、山荘を出て行く様子が描かれています。
(上)から感じていましたが、
このお話、どうも雲をつかむような感じで
現実味が伝わってきません。
まあ、フィクションだから、と言われればそれまでですし
フィクションなんだから現実味を感じる必要はないのですが
どうして私がここまで引っかかっているのかを考えてみたところ
どうやら、阪神淡路大震災が原因のようです。
実際はこんなキレイなものじゃなかったというか・・・
確かに地震が原因で親兄弟を失ったり
夫と離婚したりした人はたくさんいたし
地震の後遺症に悩まされる人は今でも多いです。
事実はお話の通りなのですが、
どうも現実離れしているような感じがして落ち着きません。
なんでかしら。
でも何かが違う・・・。
なんとなく、感情移入できないお話でした。
日常生活を離れて、物語に没頭したい人が読むといいかもしれません。
それ以外の人には、お奨めしません。
こんにちは。
面白そうな本ですね。私は、宮本輝は『錦繍』が良いと思っているのですが、こちらも少し現実離れしているかもしれません。
以上
by yasu (2010-01-10 10:26)
>yasu さん
nice! & コメントをありがとうございます。
「錦繍」ですか。これは読んだことがないので、また旅の友にでもしたいと思います。書籍のご紹介をありがとうございます。
by うしこ (2010-01-11 08:44)