SSブログ

獣の奏者 探求編 [活字中毒のトモ]


獣の奏者 (3)探求編

獣の奏者 (3)探求編

  • 作者: 上橋 菜穂子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/08/11
  • メディア: 単行本


エリンが「降臨の野(タハイ・アゼ)で王獣を操り
大公の命を救ってから 11 年。
結婚し、子供をもうけ、カザルム王獣保護場で教導師としてつつましく暮らしていたエリンのもとへ
大公から
「闘蛇が大量死したので、その原因を調べるように」
という連絡が届きます。
そして、闘蛇村をいくつか回り、闘蛇の死因を調べるうちに
エリンは闘蛇の生態と、自分の住む世界のさまざまな国の陰謀に気づき
家族ともども国家の戦略にまきこまれてゆきます。

「Ⅱ王獣編」で、
「王獣を未来永劫、王の武器には使わない」
と約束していた真王が、
あっさりとその約束を覆したのには驚きましたが
やっぱりな・・・という感じもしました。
そうでないと、続編はなかったでしょうから。
約束ってアテにならない、という常識は、
物語の中でも健在のようです。

「探求編」では、王獣や闘蛇の戦闘シーンはなく
エリンとその家族が精神的に追い込まれていく緊迫感が
メインに描かれています。
なんというか、エリンっていつも
人に「No」となかなか言えない、立場の弱い人なのですね。
それなのに、軽々しく人に頼ることもしない。
だから常に、手持ちの駒で最善を尽くせるように考えなくてはいけない。
彼女の周りには、常に緊迫した雰囲気が出ているような気がします。

この巻ももちろん、文章を読みながら
美しい風景や、エリンの物悲しげな表情
真王の、やつれ疲れ果てた顔などを
鮮やかに想像することができました。
この巻からはアニメ化されていませんが、情景を想像するのに苦労しません。
484 ページもありますが、あっという間に読めます。
まだ文庫本は出ていないので、旅の友には不向き。
夜寝る前や、時間のたっぷり取れる休日に、家でどうぞ。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0