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あの空をおぼえてる [活字中毒のトモ]


あの空をおぼえてる (ポプラ文庫)

あの空をおぼえてる (ポプラ文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 文庫


娘の知り合いのお姉さんが事故で亡くなりました。

たった 15 歳で、この世からいなくなってしまいました。

とても面倒見のいいお姉さんで、娘は彼女にとてもお世話になっていただけに
元気で明るかった彼女が、突然いなくなってしまったことが
とてもショックでした。
自分の娘が亡くなったわけではないのですが
自分よりも若い知り合いが亡くなったのがショックだったのと
彼女のご両親の気持ちを考えると、悲しみや無念さは計り知れないだろうと
しばらく呆然として、まともな口がきけませんでした。

血のつながらない私が、ショックで呆然としていても仕方がないのですが
恐ろしいくらいショックは大きかったです。
こんなに若くて元気な知り合いが、ある日突然いなくなるなんて
想像もしなかった。
いや、それが甘いと言われてしまえば、それまでなんですが
呆然としすぎて、何をしたらいいやらまったく分からなくなっているときに
この本に出逢いました。

主人公のウィルは、ある日妹と買い物に出かけたときに
事故にあってしまいます。
ウィルは一度死んだものの、蘇生しますが
妹のウェニーは亡くなってしまいました。
ウィルと彼の両親は、それぞれ
自分のせいでウェニーが亡くなったと負い目を感じながら
その後を生きていきます。

本書を読んだときには、この話は実話かと思いました。
ウィルの心の動きが本当に細やかに描写されていて
読み始めると、彼の感情にあっという間に引き込まれていきます。
まるで、本人が体験談を綴っているようです。
ですが、あとがきを読んでみると、どうもそうではないようで
色々とリサーチを重ねた上で、書かれた本のようです。
でも、とてもそうは思えない。
大切な一員を失った家族がどうなってしまうのかが、本書には鮮やかに描かれています。

死の世界から帰ってきてまで、両親を一生懸命慰めるウィルの様子や
そんな彼の気持ちに気づかずに、娘の死を悲しみ続ける父親
悲しみから、新しい命の誕生を夫と分かち合えない母親
みんながみんな、自分だけの悲しみを抱えてもがき苦しんでいます。
でも、自分の悲しみが大きすぎて、
周りの人がどんなに自分を励まそうとしているかが全然見えていない。

最後には、空回りし続けるウィルの努力もようやく実るので
ホッとしますが、
そうなるまでに、何度涙したか分かりませんでした。

彼女もウェニーみたいに、天使になって空を走り回ってくれているといいけれど。

この作品は、3 年前に日本で映画化されていたようですね。
ウィルの心の動きがどのように表現されていたのか、ちょっと気になります。
気が向いたら、DVD を借りて観てみようと思います。


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