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浪費するアメリカ人 [活字中毒のトモ]


浪費するアメリカ人――なぜ要らないものまで欲しがるか (岩波現代文庫)

浪費するアメリカ人――なぜ要らないものまで欲しがるか (岩波現代文庫)

  • 作者: ジュリエット・B.ショア
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2011/03/17
  • メディア: 文庫


先日ご紹介した「プレニテュード」を買ったときに、Amazon で一緒に買った本です。
プレニテュードと同じ作者と訳者のコンビで出された本、ということで
プレニテュードにあまりいい感想を持たなかった私としては、読むのをためらいました。
ですが、読んでみると意外にいい本でした。
翻訳がそこそこスムーズで、作者の主張が頭に入りやすいです。

そもそもこの本は、プレニテュードよりも 10 年以上前に発表された本です。
ですので、プレニテュードとこの本は、背景が全く違うと思われるのですが
言っていることはプレニテュードとあまり変わりません。
とにかく「その買い物、本当に必要なの?」というメッセージがたくさん出てきます。
そして表題には「アメリカ人」と書かれていますが、
日本人の私も興味深く読ませていただきました。

アメリカ人が購入するものの数々は、本当に欲しいものではなくて
「なんとなく」とか「みんなが持っているから」とか
「持っていることで周りから評価がもらえるから」という理由で買っているに過ぎない。
他人に良く見られたい、という欲求を捨てれば、
もっと楽に、物を買わずに、シンプルな暮らしができるのに・・・という意見を訴えている本です。

特に興味深かったのは、化粧品のリサーチで
口紅やアイシャドウなどは、価格が異なる商品でも実は品質はどれもほとんど同じ
という驚愕のテスト結果が出ているのに
アメリカ人女性の大半が、外出時に持ち歩く口紅として、
人前で取り出したときに見栄えの良いブランド物の口紅を買い
普段自宅で使う用の口紅は、それより相当ランクの劣るものを買う傾向があるという事実が
紹介されていたことでした。
「自由」とか「自分らしさ」を大切にするといわれるアメリカ人も
本当は周りの目線や評価から自由になれない、ということが良く表されています。

そして、そういう生き方に疲れて
仕事を変え、お金を使わずに生きようとしている人たちも紹介されていましたが
そういう人たちは、やっぱり色々と苦労しているようで
あらゆるものを節約して、人に会うのにも苦労しているように見受けられ
浪費生活もしんどいけれど、節約生活もしんどいな・・・と思いました。
あと節約生活って、一人で暮らしているときは簡単にできるけれど
家族が増えるとなかなか難しい、とも思いました。
私も、一人で暮らしていれば間違いなく半農の生活に入ると思うのですが
少なくとも、娘を独り立ちさせるまでは、それなりにお金を稼がないといけないので・・・。
あと義母が独りになったら同居も必要だろうし
そうなると、きちんとした広い家も必要だろうし・・・とか考えると
モノを買わない生活とは程遠い将来像が見えてきます。

ですが、アメリカ人だけでなく、日本人も相当、
要らないものまで欲しがる生活をしているというのが良く分かる一冊でした。
これを機に、私もいらないものを買うのをやめたいと思います。
なんとなく・・・で買っているもの、結構多いはずです。
でも、書籍の購入はなかなかやめられないんですけどね・・・。
図書館が遠いので、平日は行けそうになく、
つい Amazon で本を購入してストックしておく癖がついています。
読んでいない本もたくさんあるんですが、それらを差し置いて、
興味が湧いた本はすぐ買ってしまうのですよね・・・。
こういう癖も、仕事をクビになる前に直しておかないと。

下手な節約本よりも、読めば財布の紐が引き締まります。
さて、この効果、いつまで続くか・・・。



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