SSブログ

衝動家族 [活字中毒のトモ]


衝動家族  「ばらとおむつ」完結編 (角川文庫)

衝動家族 「ばらとおむつ」完結編 (角川文庫)

  • 作者: 銀色 夏生
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/01/25
  • メディア: 文庫


銀色 夏生さんのお兄さん「せっせ」がお母さんの「しげちゃん」を介護しながらつづる
ユーモラスな日記。介護日誌も
ばらとおむつ」、「珊瑚の島で千鳥足」、「しげちゃん田んぼに立つ」と続いて
今回が最終回だそうです。
最終回とはいっても、別にしげちゃんが亡くなったわけではなく
文章を書いているのはお兄さんのせっせなのに、銀色 夏生名義で本が出ていることに対して
何人かの方から質問やお叱りが来たことに、銀色さんがうんざりしたのが理由のようです。

さて、「ばらとおむつ」が出たのが 2007 年ですから、かれこれ 5 年以上も、
独りでお母さんの介護を続けているせっせ。
確か「珊瑚の島で千鳥足」では、しげちゃんを南の島に連れて行ってそこで暮らしたい
みたいな事を書かれていたと思いますが、今回それを実行されたようです。
なんと、80 歳を越えたしげちゃんを連れてタイまで行ってます!

しかも行き方が唐突過ぎる。
しげちゃんには正しい行き先を告げずに「ケアセンターに行くから」とだまして日本を出国!
帰る日も知らせないままなんと 8 日もタイに滞在しています。
さらにその旅行の中身もぶっ飛びでした。
1 日 1 食、それもホテルでの朝食バイキングのみを食べ続けながら
ワット・ポーやマーケットへ行ったり
試しに高級な病院の診察を受けたり、賃貸住宅を見せてもらったり。
実際に南の島で暮らすとどうなるか、お試しの旅だったようです。
私もその昔、沖縄に転がり込む前に 1 週間程度ずつ何回か
沖縄での暮らしを実体験しましたっけ。
でもなんてせわしない、そして楽しみのない旅なんだ!!
私がしげちゃんなら、行き先も知らせてくれない時点で思い切りキレますね。
ところが、しげちゃんはそういう人ではないようで
急に連れて行かれたタイでも「今ここ」にあるものだけを目いっぱい楽しもうとしていました。
この人きっと、人生を楽しむのが上手な人です。長生きするよ。

せっせも無茶するよなー・・・と思いながら本書を読み進めましたが
最後の方で「大悟」って大きなフォントで書いてあるところあたりを読んだら
やっぱり、老人を介護しながら長年暮らしていくのって大変なんだ、
相当なストレスに違いないと思ったのでした。
「明日死んでも誰も気づきもしないだろう。しかしそれだけ私もしげちゃんも自由だ」
この気持ちを言葉にできる人は強いです。いい台詞だと思いました。
そう遠くない将来の為に書き留めておきます。

読んでみて、タイでの介護は思ったより大変そうだと思いました。
タイほど暑くはないけれど、沖縄だとどうでしょうかね・・・?
人件費の安いメイドさんがいてくれるわけではないし。。
いい機会なので、ちょっと調べてみます。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0