平面いぬ。 [活字中毒のトモ]
同僚が乙 一さんのファンで、貸してくれました。初乙一です。
乙一さんてどんな方なのか、Web で少し検索してみたら
割と若い方で、映画監督の押井 守さんの娘婿なのですね。
意外なつながりに、ちょっとびっくりしました。
この本は短編集で、本書のタイトルとなった「平面いぬ。」の他、
「石の目」、「はじめ」「BLUE」の 3 編が集められています。
「平面いぬ。」は、腕に彫った犬の刺青が動き出す話です。
「石の目」は、見るものすべてを石に変えてしまう妖怪の話、
「はじめ」は空想の少女がいつの間にか一人歩きし始めるお話、
「BLUE」は、動くぬいぐるみのお話でした。
こう書いてしまうと、まったく面白くないのですが、実際にお話を読んでみると
不思議な空想の世界に連れて行かれて、帰ってこれない気分になります。
派手に殺人が起こるとか、何かトリックがあるようなお話ではないのです。
どこにでもいそうな主人公が、ふとしたことがきっかけで不思議な世界に入り込んでいきます。
その不思議な世界は、子供のころに想像した怖い世界とよく似ているので
余計に入り込みやすいというか、ふっと気を緩めるとどんどん引き込まれます。
そういう意味では、子供のころのイマジネーションをとても大事に育てた方なのかもしれません。
全体的なお話の内容としては、怖くないはずのだけれど、
読んでみると引き込まれる感が半端なくて、とても怖かったです。
こういうジャンル、ホラーではなくて、何ていうんでしょう?カテゴライズしにくいのですが
じわじわ怖い。不思議なお話でした。
同僚の机の上には、まだまだたくさんの乙 一本が積まれているのですが
もっと読むかどうかは・・・不明です。
個人的にお勧めはしませんが、好きな人は好きだろうな・・・という印象でした。
自分ではまず買わない本なので、薦めていただいてとても新鮮でした。
M ちゃん、どうもありがとう。
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