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親を、どうする? [活字中毒のトモ]


親を、どうする? (コンペイトウ書房)

親を、どうする? (コンペイトウ書房)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/11/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



親を、どうする?

親を、どうする?

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/11/06
  • メディア: Kindle版


沖縄タイムスに広告が掲載されていて、興味を持ちました。
この本、人気らしく、私が本書を購入したいと思ったときには、
Amazon では単行本が在庫切れで、Kindle 版をダウンロードしました。
Kindle だと、在庫切れという事態がないので、楽でいいですね。

私や夫の両親は、まだ夫婦そろって健在なので、2 人で暮らしているうちは
遠くに住んでいても安心して自分の好きなことができるのですが
どちらかが病気になったり、亡くなってしまったりしたら
その時はどうしたらいいのかしら?という不安が常にあります。
まあ、どうしたらいいの?と思っても、簡単にはどうにかなるものでもないのですが。
実際には、それぞれの思いを汲み取って、妥協できる点を見つけるしかないのは
分かっているつもりです。
ですが、こういうタイトルの本を読むと、ふっと手に取ってみたくなるんですよね。

本を開くと、そこには文字ばかりではなく、絵もふんだんに書かれていました。
そう、文字を読む本というよりは、コミックだったのです。
そのせいもあるのでしょう、テーマは重く、登場人物の性格はお世辞にも良いとは言えないのに
淡々と、時にはクスリとしながら読むことができます。

40 歳の同級生同士であるカスミ、サヨ、ハルカ。
この年になると、立場は違えどみんな親の老いに直面しています。
カスミは独身で両親とは近居ですが、両親はそのまた親(カスミにとってはおじいさん)
を介護しています。
ハルカは共働きですが、最近同居の義母の様子がおかしくなってきた模様。
アルツハイマーが疑われます。
サヨはシングルマザー。離婚した後、父親と息子と暮らしていましたが
ある日、父親ががんであり、余命幾ばくもないことを知ります。
どの人も、大変なことになってますね。
大変ですが、それぞれが現実と向き合って、日常を乗り切ろうとしている姿が印象的です。

そして、この本にはきれいごとが一切書かれていないのが良いと思いました。
カスミの姉が既婚を理由に、独身でフットワークの軽いカスミが親の面倒を見てくれるだろうと
無条件で思い込んでいたり
妻が母親のアルツハイマーに気づいても、夫はなかなかそれを認めたがらなかったり
サヨのお父さんが、病人なのにお酒が大好きで、本当は家族と離れたくない気持ちを
明るくごまかして余生を過ごしていたり
自分に甘くて、他人の優しさに甘えて日々を暮している人たちがたくさん登場します。
でもみんな素朴で、身近にこういう人たちっているかもしれない
それどころか、自分の親が介護が必要になった時には、
まさしく彼らのようになるかもしれないくらいの、強い親近感を持ちました。

読み終わっても、「親を、どうする?」という問いかけへの答えは出てきません。
みんな立場も境遇も違うので、自分で考えて何とかするしかないのです。
そういう本なのに、なぜか読むと「そうだよね」と親近感を覚えて
ちょっとホッとするというか、自分は自分で何とかしなくちゃという活力が出てくる本です。





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