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清須会議 [活字中毒のトモ]


清須会議 (幻冬舎文庫)

清須会議 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 三谷 幸喜
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/07/26
  • メディア: 文庫


娘の図書館本また貸しシリーズです。

「清須会議」って、てっきり三谷さんは映画だけ作っておられると勘違いしていたのですが
先にこの本を書いていらしたのですね。
自分で書いた本を、自分で映画化・・・多才な人です。

本能寺の変で織田 信長が亡くなった後、誰を織田家の当主にするのか、
また彼の遺領をだれが継ぐのかを、会議で決めたといわれています。
それがこの「清須会議」なのですが、多くの方がご存じである通り
この会議によって、秀吉の地位は飛躍的に向上し、逆に織田家の筆頭家老であった
柴田 勝家の影響力はぐっと低くなりました。
なぜ、そんなことになったのか?
本能寺の変(天正 10 年 6 月 2 日)から清須会議が終わる(同年 6 月 27 日)までの間に
誰がどんなことを考えて、どんな行動をとったかを、時系列で描いた小説が
この「清須会議」です。秀吉と勝家はもとより
丹羽 長秀や池田 恒興、織田 信孝 & 信雄兄弟、黒田 官兵衛、お市の方などなど
たくさんの人物がそれぞれの思いを胸に、自分がおいしいところを取ろうと
必死で策をめぐらせます。
その様子が、とてもコミカルに、またとても下品に描かれています。

そう、この本を読んだ感想は「とにかく下品」というものでした。
別に下ネタがたくさん出てくるわけではないのですが、登場人物の話し方や行動に
少しも品がなくて、疲れる作品でした。
下剋上の世の中というのは、こんな感じなんでしょうかね・・・?
実際に当時の時代に暮らしたことがないので、真相はよく分かりませんが。
誰もが、自分にとって何が得か、そればかり考えて行動しています。
自分の身を守るために、誰を支持するのかを決め、
次の世がどのような時代になるのかを見据えて、誰と手を組むのかを考える。
チェスで 1 手前だけを見ていると、すぐにクイーンを取られてしまうのと同じように
戦には強くても政治の駆け引きとなるとからきし弱い勝家は、
知らず知らずのうちに秀吉の計略にはまっていきます。

なんだか、勝家が今の日本のようだと想像すると、ちょっと怖くなりました。
表面だけ見て、裏を見ない、ゲームを勝ちにいかないと
あとあと大変なことになりそうな気がします。
そういった意味では、現代の日本に対する良い教訓となりそうな本でした。






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