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黒化する世界 [活字中毒のトモ]


黒化する世界 ――民主主義は生き残れるのか?―― (扶桑社BOOKS)

黒化する世界 ――民主主義は生き残れるのか?―― (扶桑社BOOKS)

  • 作者: 北野 幸伯
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2022/09/09
  • メディア: Kindle版


ロシア関係ならこの人!と多くの人が思っているだろう、北野 幸伯さんの最新刊です。
どうせ読むなら、ミアシャイマーさんの本 を読み終わってから
・・・と思っていたら、こんなに遅くなってしまいました。

タイトルの「黒化」とはどういうことかというと、北野さんの頭の中では
民主主義の国が「独裁化」していくことだそうです。
この前提で、北野さんは世界の国々を 3 つに分類しています。

白: 民主主義
黒: 独裁
グレー: その中間

そして、黒の中でもラスボスが中国だそうです。
地政学上大国化しすぎた中国は、別の大国アメリカに目をつけられ
「民主主義対専制主義の闘い」をテーマに、
パワーを奪われようとしているところだそうです。

80 年前にチャーチルとルーズベルトが署名した「大西洋憲章」は
侵略や植民地化が「悪いこと」でそれらを推し進める国々相手に
アメリカやイギリスは自由とより良い社会状況を確保するために
一生懸命頑張っているのだ
私たちはホワイトな方、つまり善です、という内容でしたが
去年バイデン大統領とジョンソン首相が合意した「新大西洋憲章」では
民主主義と開かれた社会を守ることが基盤となっているとのこと。
つまり良いことが民主主義で、悪いことが専制主義。
私たちは悪に勝つために頑張って戦っているのです、、、なのですと。
表向きはそういうことですが、裏側はというと
敵対的な覇権国として台頭してきた中国を
アメリカが老体に鞭打って潰そうとしている真っ最中なだけです。

そして中国と組んだロシアは、
アメリカが対中国の対応で忙しい今であればウクライナにまで気が回らないだろう、
との理解で、もともと自国であったウクライナを取り返しにかかりましたが
世の中意外とそうでもなかったようで、
プーチン大統領は世界中で非難されることになりましたし
もう先は長くないだろう
アメリカやその他のウクライナを支援している国々だって、
インフレで苦しんでいる
ウクライナも国土を失う可能性があるし、経済的にボロボロ
(ただし場合によっては飛躍的に発展できる可能性はあるそうです)
こんな中一番おいしい思いをしているのは、実は中国だが
その中国ですら、基本的に衰退に向かっているので、
状況は全く楽観的ではない、と書いてありました。

すごく分かりやすい本で、すぐに読めるので、一読をお勧めします。
どうして今の世界情勢があるのか、ぱっと理解できます。




黒化する世界 ――民主主義は生き残れるのか?―― (扶桑社BOOKS)

黒化する世界 ――民主主義は生き残れるのか?―― (扶桑社BOOKS)

  • 作者: 北野 幸伯
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2022/09/09
  • メディア: Kindle版



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