SSブログ

シン中国人 [活字中毒のトモ]


シン・中国人 ──激変する社会と悩める若者たち (ちくま新書)

シン・中国人 ──激変する社会と悩める若者たち (ちくま新書)

  • 作者: 斎藤淳子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2023/02/09
  • メディア: Kindle版


中国つながりでもう 1 冊。
こちらは沖縄タイムスの読書コーナーで紹介されていた本です。
著者は斎藤 淳子さん。1996 年の夏から北京で暮らすライターだそうです。
日系の合弁会社や国際協力機構(JICA)、在北京の日本大使館で勤務し、
その間に中国人の夫と結婚し、現地で2人の子どもを育てたとのこと。
その間 27 年。中国はめまぐるしく発展しました。
斎藤さんが中国に来た当初は、電話をかけるのも
電話機を並べた半屋台の電話屋さんに現金を手渡し、
連絡相手のビーバー交換台に電話番号を伝え、
相手がビーバー上に表示された番号にかけてくれるのを
待たなくてはいけなかったのに
今では中国で 10 億 5,100 万人がスマートフォンを持ち
GPS を基にした移動記録は秒単位でビッグデータに記録されるようになりました。
あまりに時代の流れが速いので、
親子間でのジェネレーションギャップもすさまじく
今の中国では、若い人たちとその親の世代では、考え方が全く違うのだとか。
そういや一昔前の日本もそんな感じでしたね。
私も、親とはいつも考え方の違いに苦労していますが
自分の娘との間だとあまり悩まないというか、
考え方の土台は一緒だろうという認識です。
中国では今、親子の間のジェネレーションギャップが大きいのですね。

そうかといって、30 年前の日本とすべてが変わらないかというと、
そこは中国、背景にあるものが日本と根本的に違うようです。
チャンスはすぐにつかまないと、消えてなくなってしまうという
刹那的な考え方は、日本人にはあまりなじみがないと思いますが
中国人は基本的に「今成功しなくては、もうチャンスは来ない」
という前提で生きていて、それが彼らを追い詰め
精神的に疲弊しているようです。

またバブルのせいで住宅があまりにも高騰してしまい
若い世代が結婚するときには、自分たちで家を買えず
親に良い住環境を譲ってもらったり、
結納金の額が吊り上がったり、
男性がマンションを購入しなければ、結婚できないなど
かなり生きていくのが難しくなっているようです。
なんというか・・・極端ですよね。生きるの大変そう。

本書を読むと、30 年間ずっと貧乏になる一方だった日本といえど
そこまで悪くないというか、日本に生まれて良かったと思えました。
中国だと、私は出生前診断で「女だ」というだけで間引かれそうです。
一緒に仕事をしている中国人とちょっと世間話をすると
大陸文化というか、考え方のスケールが日本人と違うと思うことがたまにあり
実際に行ってみるとどんな国なのだろうと、ちょっと渡航欲が出るのですが
本書を読んで、やっぱり行かない方がいいかもと思いました。
今行っても帰ってこれないだろうし。
そういう意味では、本を読んで「中国のリアル」を知れた気がして
ちょっとお得な気分になりました。



シン・中国人 ──激変する社会と悩める若者たち (ちくま新書)

シン・中国人 ──激変する社会と悩める若者たち (ちくま新書)

  • 作者: 斎藤淳子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2023/02/09
  • メディア: Kindle版



コメント(0) 
共通テーマ:

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント