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米中通貨戦争 [活字中毒のトモ]


米中通貨戦争――「ドル覇権国」が勝つのか、「モノ供給大国」が勝つのか (扶桑社BOOKS)

米中通貨戦争――「ドル覇権国」が勝つのか、「モノ供給大国」が勝つのか (扶桑社BOOKS)

  • 作者: 田村 秀男
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2023/07/30
  • メディア: Kindle版


北野 幸伯さんがメルマガでお薦めしていたので読んでみました。
著者は、産経新聞の特別記者であり編集委員兼論説委員でもある田村 秀男さんです。

現在世界ではアメリカと中国が通貨覇権争いを繰り広げており
この争いはかなり長期化しそうだとのことです。

ただし本書を読んだところ
巨大な人民元マネーの信用を支えるのは、ドルを中心とする外貨準備なので
中国人民銀行は、流入する外貨の大半を買い上げ、
それに応じて人民元資金を発行するし
ドルと人民元の為替レートを前日の終値を基準に上下 2%の範囲内に収める
準ドル本位制を取っている
人民元金融は、外貨準備が減りだすと引き締めるしかない
マネーパワー維持のためには貿易で黒字を稼ぐばかりではなく、
海外からの債務を意味する投融資を絶えず必要とする
ということらしいので、この前提が覆らない限り
人民元が覇権通貨となるのはかなり厳しいのでは?という印象です。

また、人民元が海外に流出して、自由に取引されるようになると
中国は人民元の全面的な自由化に追い込まれる
すると、党がカネを支配することで成り立つ「社会主義市場経済」が崩壊する
とも書いてあったので・・・つまり無理?

こんなに不自由な人民元なのに、ぬくぬくと肥えていけるのは
お金を貸してくれる国があるからですよね。
だから中国は反スパイ法を成立させながらも
諸外国に「融資してくれ」と熱心に呼びかけているんですね。
日本はこれ以上この国に融資するべきではありません。
また中国企業の下請けを日本の企業が受けるなどして、
人民元建てで決済をしてもいけない。
そういうアホな企業が増えないことを祈ります。

グラフがたくさん掲載されていて、数字を追っていきやすい本でした。
文章は結末が分かりにくいですが、数字を丹念に並べていくことで
将来を推測しやすくなっています。
表に出ている数値が正しければ、の話ですが。



米中通貨戦争――「ドル覇権国」が勝つのか、「モノ供給大国」が勝つのか (扶桑社BOOKS)

米中通貨戦争――「ドル覇権国」が勝つのか、「モノ供給大国」が勝つのか (扶桑社BOOKS)

  • 作者: 田村 秀男
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2023/07/30
  • メディア: Kindle版



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