SSブログ

くらしのための料理学 [活字中毒のトモ]


くらしのための料理学 NHK出版 学びのきほん

くらしのための料理学 NHK出版 学びのきほん

  • 作者: 土井 善晴
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2021/03/25
  • メディア: Kindle版


Kindle Unlimited で読みました。
料理人が料理への愛を語る 1 冊でした。
料理を通じて、持続可能な家族のしあわせと
この地球で心地よく生きていくための道筋を、
みなさんとともに考えていきたい、と書いてありました。
料理の「そもそも」を知り、暮らしの意義と構造を知ることで、
要領よく、力を抜いて「ちゃんとできる」ようにするのが本書の目的だそうです。

料理界の進化は、経済と共にあって実現できる
だからこそ、芸術的な料理の世界は、
伝統を否定してでも、進化し続けることを使命とするけれど
伝統は、そこにいつまでもあるべき私たちの故郷。
故郷を切り捨てることは、突き詰めれば地球を捨てるのと同じこと。
地に足のつかない、地球を排除した人間の進化に希望はないので
経済のからんでこない家庭料理は、
地に足のついた、素材の味がよく分かるシンプルなものでいい
というのが土井先生のご意見です。
極端な話、家庭料理なんて一汁一菜で十分だというのです。
しかも土井先生の場合、「一菜」はなんと漬物!
汁物とご飯と漬物、いわゆる「汁飯香」を基本にする食事のスタイルを
提唱されています。

これを読んで、私は思いました。
もう毎日鍋料理で良くないか?
たぶん食い意地の張っている私は数日で飽きて、
色々と酒のアテを作り始めると思うのですが
少なくとも仕事が忙しい時期は、鍋だけでいいはず、と心を軽くしたのでした。



くらしのための料理学 NHK出版 学びのきほん

くらしのための料理学 NHK出版 学びのきほん

  • 作者: 土井 善晴
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2021/03/25
  • メディア: Kindle版



コメント(0) 
共通テーマ:

新版 科学がつきとめた「運のいい人」 [活字中毒のトモ]


新版 科学がつきとめた「運のいい人」

新版 科学がつきとめた「運のいい人」

  • 作者: 中野 信子
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/08/31
  • メディア: Kindle版


新聞広告で何回もこの本の宣伝を見かけたので、つい購入しました。
脳科学者の中野 信子先生の著書です。

結構読みやすい本なので、途中まではそこそこのスピードで読んでいたのですが
「セロトニンが運をよくする上で必須の物質だ」とか書かれているところで
ちょっと待て、と思ってしまい、読み進めることができなくなりました。
「セロトニンが運をよくする上で必須」だとしても
「セロトニンがあれば運がよくなる」訳ではないよなと。
だとすれば、いちいちセロトニンがどうこう言う必要はあるのかしら?
こう考え出したら、もう本書に書かれていることが単なるこじつけにしか思えなくなり
読む気がなくなってしまいました。

それでも何とか読了できたのは、この本が本当に読みやすかったからです。

中野先生いわく、「運」というものは必ずしも、
その人がもともと持っていたり生まれつき決まっていたりするものではなく
その人の考え方と行動パターンによって変わるのだそうです。
運がいい人には共通した考え方や行動パターンがあり
運はコントロールできると。
ただし運の良さというのは、客観的に定義できるものではなくて
「運が悪い」と感じてしまう人は、単純に
彼らが自分なりの「しあわせのものさし」で測った目的や目標を持っていないのだ
自分なりのしあわせの価値観をベースにした
「こうしたい」「ああしたい」という思いを持ち合わせていないから
「運が悪い」と思ってしまいがちで
さらに悪いことに、自分の価値観が明確になっていない人は、
他人の意見や一般的な価値観に影響を受けやすくなると書いてありました。

コインを投げるときと同様に、目的や夢に向かう道のりも、
マイナスの出来事あるいはプラスの出来事ばかりが続く場合は少なくないが
長期的に見れば、必ずマイナスとプラスの出来事が入り込む
つまり人生トントンになるようにできているそうです。
それなのに運が悪い人というのは、この長期的な視点を持つことができないので、
マイナスの出来事が続いたときにゲームをおりてしまい
「運が悪かったよね」と思ってしまうのだとか。
このあたりはなるほどね、と思いながら読みました。
ですがそうなるともう「運」ではなくて、運がいいとか悪いとかを気にせずに
ひたすら自分のやりたいことや夢に向かって突き進むのが
いちばん良いということになります。ふむ。。



新版 科学がつきとめた「運のいい人」

新版 科学がつきとめた「運のいい人」

  • 作者: 中野 信子
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/08/31
  • メディア: Kindle版



コメント(0) 
共通テーマ:

じい散歩 妻の反乱 [活字中毒のトモ]


じい散歩 妻の反乱

じい散歩 妻の反乱

  • 作者: 藤野千夜
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2023/10/18
  • メディア: Kindle版


じい散歩」の続編を、さっそく読んでみました。
前作からさらに歳を重ね、夫婦あわせて 180 歳を超えた新平と英子。
3 人の独身中年息子たちは相変わらずで、
自宅介護が必要になった母親の面倒を見る気配もありません。
新平が老体に鞭打って、英子の介護を一手に引き受けています。
長男は相変わらず引きこもりだし、次男は同性の恋人との暮らしを楽しんでいて
三男は顔を合わせば借金の申し込みばかりしてきます。
私も普段、実家のことはあまり気にかけないので
人のことは言えませんが、息子が 3 人もいてもこんなに頼りにならないとは。
子どもに頼ろうと思うのがいけないのか。
どうせ頼りにならないと最初から思っていれば、
いざ介護となって本当に頼りにならなくても、それほど落胆はしないかもしれませんね。

タイトルに「妻の反乱」とあるので
英子さんはどんなすごい反乱を企てたんだろうと思っていたのですが
意外とかわいいもので、拍子抜けでした。
前作であんなに過去の浮気を責め続けていたのに
90 歳を超える頃には、怒りが収まったんでしょうか。
死ぬまでに、仏の域に達したってことですかね。

おそらく息子たち 3 人は、新平さんが亡くなった後も
どうにかこうにか暮らしていくのでしょうし
奇跡も起きないとは思うのですが、彼らのその後の話を
読んでみたいような、読みたくないような。
特に三男の雄三は、ロクな人生の終わりを迎えないと思われるのですが
意外とああいう人は、
上手に誰かたかれる人を見つけて生きていくのかなとも思うので
近所で陰ながら「その後」を見守る役をやってみたいです。
知り合いには絶対になりたくありませんが。見るだけね。



じい散歩 妻の反乱

じい散歩 妻の反乱

  • 作者: 藤野千夜
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2023/10/18
  • メディア: Kindle版



コメント(0) 
共通テーマ:

じい散歩 [活字中毒のトモ]


じい散歩 (双葉文庫)

じい散歩 (双葉文庫)

  • 作者: 藤野千夜
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2023/08/08
  • メディア: Kindle版


沖縄タイムスの書評コーナーで紹介されていた本です。
読んでみると、不思議な本でした。

明石家の主である新平は散歩が趣味の健啖家で、
女性とのコミュニケーションが大好きな人です。御年 89 歳。
1 つ年下の妻は、そんな夫の浮気をしつこく疑っています。
どうも認知症の疑いがあるようです。
2 人には 3 人の息子がいますが、長男は高校中退後、ずっと引きこもり。
次男は恋人が男性の自称・長女。三男はグラビアアイドル撮影会を主催しては赤字で、
親に無心ばかりする、金にだらしない男。アラフィフなのに全員独身です。

新平が 89 歳になっても元気でいられるのは、
毎日散歩に出かけて、美味しいものを食べて、
好きな建築物や絵画を観ているからのようです。
趣味の時間の描写はとても楽しそうで、老後の趣味が「散歩」というのは
いいかもしれないと思いましたが、他が残念過ぎます。
この家族、新平が死んでしまったら間違いなく全員のたれ死にます。
あ、かろうじて次男は大丈夫かも。
だけど次男には他のやっかいな家族を養うだけの甲斐性はないので
残りの 3 人は野垂れ死にでしょうね。
なのに、そのことを務めて考えていないそぶりで、毎日を暮らしています。
この状態がいいのか悪いのか?普通に考えたら良くないのでしょうけれど
この一家はこれが精いっぱいなのだと思います。
先のことをあれこれ考えても、どうにもならない。
ただ毎日を淡々と生きていくだけでも大変なのだと思いました。

このお話には 続編 があるようです。
さてどんな展開になるのかしら。
読んでみようと思います。



じい散歩 (双葉文庫)

じい散歩 (双葉文庫)

  • 作者: 藤野千夜
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2023/08/08
  • メディア: Kindle版


コメント(0) 
共通テーマ: