私の財産告白 [活字中毒のトモ]
*読み応え 90点
*コストパフォーマンス 80点
北野幸伯さんの ロシア政治経済ジャーナル で紹介されていた本です。
東大教授にして資産家としても有名だった 本多静六 さんの著書。
彼が財産を築き上げた方法と、お金にまつわる賢い生き方に関するアドヴァイスが
書かれています。
自分がお金持ちになった方法を人に教えるなんて、
胡散臭い話だと思いましたが、
本多さんご自身が文中で
「私にお金の大切さを教えてくれたのは、ドイツ人の博士だった。
彼はかなりの金持ちだった。
ことお金に関しては、自分が実行して成果を挙げた方法を
他人に教えるというのは自慢話のようになってやりにくいが
はるか昔にお金の大切さを教えてくれた博士の厚情、勇気と親切さに応えたいと思ったから
この本を書いた」
みたいなことを述べておられます。
胡散臭いと思われることを承知で書いておられるようです。
本書を読み進んでみると
・給料の 1/4 を貯蓄すること
・貯蓄した分は最初からないものと思って、質素に暮らすこと
・ある程度お金がたまったら、投資をすること(投機ではなく、堅実な投資であると言っておられます)
・本職を煩わさない程度の副業を持つといいこと(執筆は、彼の副業のようです)
が大切だというのが、彼の資産に関するアドヴァイスのようです。
こうやって箇条書きにすると、拍子抜けするほど普通の堅実な考え方です。
金持ち父さん貧乏父さん に、なんとなく似ています。
日本人でも、こんなに古くからお金を運用する人がいたんですね。
ただ、本多さんは主に鉄道株や山林に投資をして
儲けていらっしゃったようなので、現在の情勢には当てはまりません。
ですから、最近の投資トレンドをつかむのには一切役に立ちません。
ですが、彼のお金に対する健全かつ堅実な姿勢には
見習うべきところがいくつもあると思います。
私が、本書で一番興味深かった投資法は、
「投資してから利益が倍に増えたら、増えた分を売れ。
そうすれば、プラスマイナスゼロということになって、
後は価格が上がろうが下がろうが、長い間保有して損にはならないから」
というものです。
これは目から鱗でした。
そうか、株なんかは最初から同銘柄を複数株買っておくと、そういうことができるんだ。
あと、本多さんほどの資産家が
「時代の流れには勝てない」
と書いていらしたところも印象的でした。
また、成功談だけでなく、仕事上や投資上の数々の失敗談も
隠すところなく書いておられて
気さくで誠実な人柄がうかがえます。
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