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ねこは青、子ねこは黄緑 [活字中毒のトモ]


ねこは青、子ねこは黄緑―共感覚者が自ら語る不思議な世界

ねこは青、子ねこは黄緑―共感覚者が自ら語る不思議な世界

  • 作者: パトリシア・リン ダフィー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 単行本



*読み応え: 80 点
*コストパフォーマンス: 60 点


共感覚 を体験できる著者が
この才能を世の中の人たちに知ってもらうために記した本です。

例えば、美味しそうな料理がテーブルに並んでいると仮定して。
私たちはそれを「視覚」でとらえて「わぁ、盛り付けがきれい」と思いながら
料理のにおいを「臭覚」でとらえ「いいにおい」と思いますよね。
この 2 つの感覚を平行して得られることには、何の疑問も持ちませんよね?

共感覚の持ち主は、
・文字を見ているとき
・数字を見ているとき
・スケジュール帳を見ているとき
・音楽を聴いているとき
などにも、2 種類の感覚を同時に体験するようです。
単なるモノクロの数字も、彼らには色がついて見えます。
音楽を聴くと音が聞こえるだけでなく、音についた色が見えるそうです。

なんだか、いっぺんに 2 倍の体験をできるみたいで、うらやましい限りです。

題名の「ねこは青、子ねこは黄緑」は
・ねこ(cat)
・子ねこ(kitten)
というスペルを見たときに、著者が文字と同時に見る色を表しています。
著者によると、C は青で、K は黄緑なんだとか。
だから、C で始まる単語はたいてい青に、K で始まる単語は黄緑に見えるそうです。
ペーパーバックを読むときも、カラフルで楽しそうです。

彼らの才能は、個人差が大変大きく、
個人によって見える文字の色は異なっていますし
文字を見るたびに聞こえるという音楽も、聞こえる人とそうでない人がいるそうです。
「個性」ってことなんでしょうね。

昔は共感覚に理解が得られなかったので
著者も他人との付き合いに相当苦労したようです。
そうやって苦労した人が、世界中の共感覚の人たちに送る
力強いサポート本です。
同時に、共感覚を知らない人にもこの感覚を理解してもらえるよう
共感覚の人々が見ている世界が分かりやすく説明されています。
1 冊でかなり、内容豊かです。
初めて共感覚を知りたい人にはとてもお奨めです。

ちなみに私は、文字を見ても色はついていませんが
音楽を聴くと味がするっていうのは、なんとなく理解できます。
きっと、誰でも少しは持っている感覚なんですよ。
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