働くアンナの一人っ子介護 [活字中毒のトモ]
*読み応え: 80 点
*コストパフォーマンス: 60 点
作家の荻野アンナさんが語る、介護を続ける秘訣。
彼女は、長年のパートナーの闘病を支え続けた後、
高齢のご両親の介護をたった一人で続けていらっしゃいます。
仕事を継続しながら、両親を看る。
これは本当に大変なことだと思います。
さらにご自身も、うつの症状が出て、薬を飲んだりされている。
うつ病の人が、仕事を続け、介護もしている。
そらうつも治らんわ、という感じなのですが
どうにかこうにか、全てが並行して継続中のようです。
94 歳のお父様が、三途の川を 3 回渡りかけては帰ってきている話を
コミカルに語られていますが、
私がアンナさんなら
「渡ったんやったら、渡ったきりにせんかい。
絶対に帰ってこんでええわ」
と親のつけている酸素チューブを抜いてしまいそうです。
我が家の場合、義妹が亡くなった今、夫は一人っ子も同然ですし
私は妹と二人で遠方介護をこなさなくてはならない予定なので
一人っ子介護ってどんな感じなのだろう?と思って読んでみました。
独身で一人っ子のアンナさんが両親を介護している様子は
読んだだけでも大変そうです。
施設からたびたびかかってくる
「お父様が騒いでいらっしゃいます。
職員の手に負えないので来てください」
という電話。
そんなこと言われても、こっちも仕事を失ったら食べていけないのに
どうしろと?と思います。
一人じゃ、どう考えても介護人と給料運搬人は両立できません。
施設に入れていてもこれなのに、
ましてや老人保健施設に入れるお金がない場合は、
一体どうやって一人で在宅介護を成り立たせろと?
一人じゃ他に代わってくれる人もいませんしね。
私は一人っ子ではありませんけれども、
たぶん、今両親に倒れられても、
私には仕事と介護を両立できるような甲斐性がありません。
アンナさんのように、名の売れた小説家であり大学で教鞭をとるような人だからこそ
一人で仕事と介護を両立させる甲斐性があるんです。
そして、両立させていても、そのつらさはきっと想像を絶するはずです。
本書を読むと、さばさばと、ギャグも混ぜつつ語っていらっしゃいますが
本書 1 冊がまとめ上げられるまでに、語られない苦労が
きっと 100 冊分以上あったはずです。
義両親としばらく近距離別居をしたことと
この本を読んだことで、
近いうちに訪れるであろう介護の日々が鮮やかに頭の中に描かれました。
その件に関しては、また日を改めてつづってみたいと思いますが
介護・・・気が重いわ。
子育ても大変だと思ったけど、きっと介護より子育ての方が 100 倍楽しいわ。
2009-01-06 05:16
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