友だちは無駄である [活字中毒のトモ]
タイトルが意味深だったので、つい読んでしまいました。
これは、1988 年に刊行された(22 年前)、佐野 洋子さんのエッセイです。
「友だちは無駄」って、一体どういうことなんだろう?
と思いましたが、読み進めてみると
佐野さんが子供の頃から経験されてきた
友だちとの楽しく、おかしく、また時には悲しい思い出が
インタビュー形式でたくさん綴られています。
どうやら、インタビュアーは谷川 俊太郎さん(佐野さんの元ご主人ですね)の様子。
この本、何かの企画によって生まれた本であるらしく
折に触れて「中学生や高校生にも分かるように」という言葉が出てきます。
そういう気持ちで「友だちとは?」が楽しく語られた本です。
で、タイトルの「友だちは無駄」ですが
なんというか、人間嫌いの人が「友だちなんて無駄」と独りを貫いている感じではなくて
「友だちなんて、メリットがあるから付き合うわけじゃないよ。
無駄なことを一緒にやりながら、楽しく過ごせる相手が友だちだよ」
というのがこの本の趣旨であると思われます。
そりゃ、そうですよね。
佐野さんが子供の頃過ごされた大連の家の様子とか
お父さんをなくされた佐野さんを、
いろいろな友だちがいろんな方法で慰めてくれる様子とか
興味深かったり、心温まったりするシーンがたくさんあります。
そして、対談形式なので、字数が少ないからか、あっという間に読めます。
佐野さんの言葉は流行り廃れのない言葉なので
どんな人が読んでも読みやすいと思います。
「中学生や高校生にも分かるように」だからでしょうか。
友だちのありがたさを、素直に感じられる本です。
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