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日本は世界 5 位の農業大国 [活字中毒のトモ]


日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)

  • 作者: 浅川 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/02/19
  • メディア: 新書


日本の食料自給率は低い、と言われ続けているので
(学校の授業でも、そう習うくらいだし)
「日本は世界 5 位の農業大国」というタイトルだけで
興味を持って買ってしまいました。

ですが、読了後の第 1 感想は
「なんか、うさんくさいな」
でした。

話の大筋は、「食料自給率」というのは生産額ではなくカロリーベースで計算されており
大量に廃棄されるコンビニやファストフードの商品もすべて含めて
計算されてしまっている。
生産額をベースにした食料自給率をはじきだせば、
自給率は 66% に跳ね上がる。
政府は食料自給率をわざと低く見せることで
外国産の野菜にかけている高い関税を正当化しようとしているに過ぎない。
そもそも、外国で、カロリーベースの食料自給率を公表している国は
とても少ない。
カロリーベースの食料自給率なんて、出しても意味のない数字だからだ。
すべては、国民や諸外国に「日本の農業は脆弱である」と思い込ませたい
政府の罠である。
そんなふうに、政府が農業をコントロールしているから、
誰も真相が分からないし、農業も政府に甘やかされて衰退する。
もっと、農業を自由化して、真剣にビジネスとして取り組んだらどうか?

というようなものです。

どうも、今まで聞いたことのない話だったからか
ピンとこないというか、素直に賛同できない「何か」を感じたのですが
試しに「食料自給率」を英語に直して
food と self-sufficiency で検索をかけてみると
確かに、日本に関する記事が大半を占めているように見えるし
外国の政府で食料自給率を気にしているのは、中国ぐらいのようですが
・・・う~ん、どうだろ?
100 万件以上ヒットしているし、
食糧自給を真剣に考えている農業団体のサイトも多数ヒットしたので
本当に自給率を考えなくてもいいかどうかは、分かりませんでした。

そして、廃棄処分される食品を含んだ、カロリーベースの自給率が低い、ということは
外食産業で出回っている食品の多くは輸入品、ということですよね。
廃棄される分を、何とか減らして、自給率を上げようとするのが
大事なのではないのかと思いました。
浅川さんは、食糧を輸入に頼っても、リスクはほとんどない、と書いていらっしゃいますが
リスクどうこう以前に、
どうせ食べるのだったら、近くで生産された新鮮な食料を食べたいし
いままで食料を売ってくれていた国が、突然売ってくれなくなったら
他の国を探すのってとても面倒だし、大変だと思うし
工業みたいに空洞化して、技術や雇用が失われるのももったいないと思うので
やっぱり、できることは自分たちでやるように、努力すべきじゃないかなーと
感じましたです。

便利だからって理由だけで、簡単に農業を自由化してはいけない
もっと慎重に考えなくてはいけないトピックだと思いました。
自由化さえすれば、農業はもっと発展するのか?
今まで自由化によってコケてきた産業が多すぎるので
素直に同調は到底出来ないです。

というわけで、書いてあることは分かったけど
なんか、納得できない 1 冊でした。



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