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5年後の日本と世界 [活字中毒のトモ]


5年後の日本と世界

5年後の日本と世界

  • 作者: 田中 直毅
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/09/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


国際公共政策研究センター の理事長、田中 直毅氏の著書。
センターが開設されて 3 年となり、
研究成果をまとめる場として本書を出版されたようです。

タイトルからして、興味をそそります。
こういう、未来を予想するような本にめっぽう弱いです。
でもこの本は、トンデモ本ではなく
純粋に、現状を細かく研究することではじき出された
極めて現実的な近未来の予測です。

本書によると、ワーストシナリオとして考えられる未来は
国家の財政破綻により、国債が暴落し
長期金利が高騰し、インフレが起こります。
政府はこの対応に失敗し、財政を収縮させてしまい
街には失業者があふれかえることになります。
有能な人間や大企業は、日本に見切りをつけどんどん海外に脱出していきます。
もちろん、年金も破綻。
若者から老人まで、貧乏人ばかりの国になるそうです。

ワーストシナリオ、といっていますが
あまり楽観できないというか・・・こうなる可能性かなり高いのでは?

日本が大変な状況に陥っている間にも
ドルは基軸通貨であり続け、中国はますます増長するようです。
ですがアメリカの世界中への介入度は下がっていきます。
日本が生き残っていくには、
日本は「挑戦持続国」として新しい技術を世界に送り出し続けるか
「新興衰退国」としてヨーロッパのどこかの国みたいなってしまうかの
どちらかしか選択肢はないようです。
そして、少子化が心配されていますが
海外から安価な労働力を呼び込めとはどこにも書いていなく
むしろ有能な外国人が長く日本に滞在してもらえるような工夫をして
日本人では思いつけないような技術や政策を発案してもらい
(もちろん、日本人も頑張るのですよ)
高齢になっても、子育て中でも働けるように
仕事への短い時間的関与を許すようなシステムを導入すべきだとしています。

いや本当に、極めてまっとうで現実的な予測です。
いろいろなデータを本当にしっかりと解説してくれていますし
チャートがたくさんあって分かりやすいです。
文章を読むのが苦手な人でも、グラフを見たり、見出しだけ読んだりすれば
世界の現状が分かる本です。
むしろ、文章は割と難しく、読むと頭の中が混乱するので
グラフと見出しだけ読んだ方が良いかも。




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