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原子力神話からの解放 [活字中毒のトモ]


原子力神話からの解放 -日本を滅ぼす九つの呪縛 (講談社プラスアルファ文庫)

原子力神話からの解放 -日本を滅ぼす九つの呪縛 (講談社プラスアルファ文庫)

  • 作者: 高木 仁三郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/05/20
  • メディア: 文庫


以前、「分かりやすい原子力の本が読みたい」とブログに書いたところ
zu2 さんから「高木 仁三郎がおススメ」というコメントをいただきまして
読んでみました。
高木 仁三郎さんてどんな人かというと、
原子力資料情報室 の立ち上げに参加し、その後室長になられた人のようです。
ですが、2000 年に 62 歳の若さでお亡くなりになられています。
原発に関わる人って早死してしまう傾向があるのかしら。
この本は、2000 年に出版された本の改訂版です。
いわば、高木さんの遺言のような本です。

原子力は低コストで無限のエネルギーを供給できるという「神話」が
実は嘘を塗り重ねたまやかしでしかないことが、切々と訴えられています。
小出 裕章さんの「隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ」と
大体同じことが書いてあると思いました。
「原子力は、巷で言われているほど良いエネルギー源ではないから、とっととあきらめろ」
の一点張りです。
この本はそもそも、東海村で起こった臨界事件を受けて
原子力の問題を分かりやすく解説しようと高木さんが思い立ったことから生まれた本です。
恐ろしい事故が起こった後にかかれたせいもあるのか
とにかく、原子力がロクなものではないことが、これでもか!とばかり強調されています。

コストについても政府は原子力に都合のいいように条件を甘くして算出しているし
原子炉を動かせば動かすほど死の灰は溜まっていくし
原子炉建設時には「絶対安全です、大丈夫」とか言われても
その防護システムは一つ問題が起こったらドミノ式に崩れていくようなシステムだし
どうしようもないですよ。。。てなことが書いてあります。
「日本の優秀な技術力」という言葉ですら、原子力の分野ではまやかしであるとも書いてありました。

・・・。

原子力が予想以上に危険で役に立たない技術であるという事実にもびっくりですが
こういうことが、10 年も前から言われ続けていたのに
今日まで何も変わっていないという現実にもびっくりしました。
今回の福島原発の事故も、そのうちうやむやにされて
原発は何事もなかったように存続していくという未来が想像できて
嫌な気分になりました。
それじゃあダメでしょう。ここまでダメな技術だという事実を
現場の技術者もはっきりと証明していて
さらに日本の(いや世界の?)広範囲が放射能で汚染されるという事故が
現実に起こってしまった今、
それをうやむやにして原発を存続させるなんて、人として狂っているとしか
言いようがないです。
なんでこんなにダメな技術を、好んで存続させようとするんでしょう?
やっぱり隠れて核兵器を開発するため?
本当に不思議です。

10 年以上前に出版されて本ですが、
分かりやすい文章で原子力の背景やら原子炉の仕組みやらを知ることが出来ます。
これ 1 冊で、原発に関する基礎知識が網羅されています。
文系の方にもおススメです。

zu2 さん、ご紹介ありがとうございました。


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