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日本を追い込む5つの罠 [活字中毒のトモ]


日本を追い込む5つの罠 (角川oneテーマ)

日本を追い込む5つの罠 (角川oneテーマ)

  • 作者: カレル・ヴァン・ウォルフレン
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/03/10
  • メディア: 新書


オランダの政治学者、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏の著書。
この方の著作には、大学の頃ずいぶんとお世話になりましたが
社会人になってからは遠ざかっていました。読むのは久しぶりです。

国際社会で国が生き延びていくには
車の往来の多い道路で、左右を良く見て渡る注意深さとはまた違う
見えない罠に気付く能力が大切であるそうです。
本書では、日本が引っかかりそうな 5 つの「罠」が論じられています。
5 つの罠は、以下の通り:
1. TPP の背後に潜む「権力」の素顔
2. EU を殺した「財政緊縮」という伝染病
3. 脱原子力に抵抗する「非公式権力」
4. 「国家」なき対米隷属に苦しむ沖縄
5. 権力への「無関心」という怠慢

本書が発行されたのが 2012 年 3 月ということで、
TPP 問題や EU の衰退がホットなテーマだったようです。
今はそれから半年しか経過していないというのに、全く違った話題がホットになっていて
今さら読むにはどうかな・・・という印象が濃かったです。

しかも 4. を読んでみて、ウォルフレンさんは、沖縄について
びっくりするくらい詳しくデータをご存知でいらっしゃるのに
実情を何も理解されておられないことが判明しました。
あんなに沖縄の内情を知っていて、
なぜ「沖縄には米軍がいないくても大丈夫」という結論を導き出せるのかが不思議です。
第 4 章を読んで本当に脱力したというか、
この人モノを知っているのに、それだけでしかないのだ
学者って一体何を研究して生きているのだ・・・?と悲しい気持ちになりました。
オランダで一流の政治学者です。アタマの良い人です。
ですが外国のことを話題にして本を出す割には、その国の現状認識がおかしいのでは?
対岸の火事的なポジションで捉えているから、事の重大さがまるで分かっていないのでは?
そういう印象を持ちました。

それに小沢 一郎さんを絶賛しているところも微妙だと思いました。
意外と知識人には、彼を支持する人が多いのですよね・・・。
ウォルフレンさんもその一人のようです。
日本人の癖に「私は人民解放軍の野戦司令官だ」と言っちゃうバ○が
どうしてこれほど支持されるのか、私には全く理解できませんが。

唯一おもしろかったのが、マツダのロータリーエンジン搭載車を運転された過去があると
本書に書いてあったことです。
そんなこと・・・?と思われるかもしれませんが
わざわざそんな車を運転されるところあたり、
基本的に日本が好きで、この国に好意的な眼差しを向けておられると感じました。

というわけで総括すると、
日本好きな外国人のじいさんが、海外で好き勝手なことを言っている本です。





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