アシモフの雑学コレクション

アシモフの雑学コレクション (新潮文庫)

• 作者: アイザック アシモフ
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 1986/07
• メディア: 文庫

何年か前に、おもしろいかなーと思って買ってみたら、
ウンチクをいやというほど聞かされているような本だったので
途中で挫折して放置していました。
タイトル読んで分かれよ・・・って話もありますね。
今回、年末にあまりにも疲れてしまって、
気晴らしに文字だけ追いかけたいと思ってこの本を手に取ったところ、
意外と面白くて、読了しました。

アシモフさんと言えば、ロボット三原則が有名らしいです。
（私はそのなんたるかを、全く知りませんが）
Wikipedia で アシモフさんのページ を読んでみましたが、
非常に博識な方なのですね。
ウンチクのネタは、古代ギリシャなどの古いものから
この本が書かれた当時ホットだったイランという新しい国のこと、
2100 年には北極星が真北でなくなる話など、時代を超えて多岐に渡っています。
そのどこまでが本当で、どこまでが実は嘘なのか。
調べてみると、意外と面白いかもしれません。
実際に見たことのない話が多いので、立証が難しいとは思いますが。

これらのどこまでが本当なのか・・・などという雑念を振り払って
文字だけ追いかければ、面白く読めます。
私が一番ウケタのは、ゴリラを母子だけにすると、母が子を虐待するというお話。
密室育児は、ゴリラでもよろしくないと・・・なんとなく納得できます。
↑こんなふうに一文読んでみても「へえー」としか言いようがないことが
延々と箇条書きのように書いてあります。
ウンチクに興味がない人には、かなり退屈な本だと思います。

日本のことも、いくつか書いてありました。
元寇のことや、源氏物語のことなどが書かれていましたが、
紫式部が生きていた時代に、優れた女流作家が多くいたのは、
文献が実際に残っていますからそのようであるとして、その続きに
11 世紀以後は仏教の影響で日本の女性の地位が低くなったと書いてありましたが
これは本当でしょうか？
気になりますが、実際に自分の目で見て確かめることができないのが、残念です。

昔は、アシモフさんのような博識な人に、人々は敬意を表していたのかもしれません。
ですが最近は、なんでもネットで調べれば、情報が正しいかどうかはさておき
それなりの答えがすぐに見つかるようになってしまったので
博識であるということが、大事なことではなくなってきたように思います。
そのせいで、この本の面白みも薄れてしまった感があります。
もっと知識を得るのが難しければ、こういう本もむさぼるように読んだかもしれません。

気晴らしにぱらぱらと読むのがお薦めです。

タグ：アシモフの雑学コレクション アイザック・アシモフ