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秘密戦争の司令官オバマ [活字中毒のトモ]


秘密戦争の司令官オバマ

秘密戦争の司令官オバマ

  • 作者: 菅原 出
  • 出版社/メーカー: 並木書房
  • 発売日: 2013/01/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


この本も、タイトルだけで言いたいことはすべて分かってしまうかに見えます。
私はこの本のタイトルを見たときに
「なんて分かりやすい」と思って、つい買ってしまいました。
ノーベル平和賞を受賞し、マイルドなイメージが漂うオバマ大統領ですが
実は先代のブッシュ大統領と同じように、戦争に明け暮れているのは
知る人ぞ知る(みんな知ってるか)事実ですよね。
その事実にフォーカスを当てて書かれた本かと思ったのですが・・・。
微妙に違ったみたいです。

本書の趣旨をざっとまとめてみると
オバマ大統領がリードするアフガニスタンでの戦争が、実は失敗しまくっていて、
華々しい戦果やスマートな撤退を演出しているけれど
その内情はお粗末なものだ、ということが書いてあります。

アフガニスタンでの戦争は、
「クリア(掃討)」、「ホールド(堅守)」、「ビルド(建設)」そして「トランジッション(転移)」の
4 つのステップが描かれた、非常に理想的で友好的な
現地政府への権限委譲を実現させるための作戦が立てられていました。
ですがその作戦は机上の空論であり、
いざ実践となると、事態は思ったようには全く進まなかった。
なので、作戦を放棄して徐々に撤退しているのですが、
それを上手く隠せるように、派手な演出をつけてビン・ラーディンを殺害したり
削減する兵士の数を多くして、平和的なイメージをアピールしているそうです。

これを読んだ感想としては「目新しいことは何もかかれていないな」なのですが
別の見方をすると、「なんだ、会社の方針と同じじゃないか」とも思いました。
私の仕事場では、これと似たようなことが良く起こります。
数字だけを追う上層部が、年度初めにきれいな計画を作りますが
いざ実行してみると、現場は思ったようには動かず、成果は全く上がりません。
なので仕方なく、現状を上手く言葉を飾って表現し、
何とか利益が出ているように「演出」して、次の計画を立てます。
アフガニスタン戦争の計画と、立て方が非常に似ています。
なんででしょうね。アメリカ人の考え方なんでしょうか。
日本人が計画を立てても、一緒かしら。

よその国へ土足で乗り込んでも、良いことはあまりないとも言えます。
分かりやすい作戦を立てたところで、
そもそも最初から、始めるのに無理のある戦争だったので
うまくいくはずないじゃないか・・・。傍からは、そう見えます。
国が違えば、ルールも違う。
人間、コアな部分は同じと入っても、やっぱり住んでいる場所が違えばそれなりに
その地方独特の文化がありますよね。
アメリカは多文化、他民族の国ですから、
違うのは当たり前だと認識しているはずなのに
利益ばかりを追求して、肝心なところでミスをしていると思いました。
まあ、アメリカに限ったことではなく、少数民族を力で抑え込んでいるような国は
どこでも同じことだと思いますが・・・。

著者が海外生活が長いせいか、参考文献が英語で書かれたものばかりのせいか
どことなく日本語が翻訳調で読みにくいので、
めっちゃお薦めというわけではありませんが、内容に興味がおありの方はどうぞ。




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