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働きながら、社会を変える。 [活字中毒のトモ]


働きながら、社会を変える。――ビジネスパーソン「子どもの貧困」に挑む

働きながら、社会を変える。――ビジネスパーソン「子どもの貧困」に挑む

  • 作者: 慎 泰俊
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2011/11/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


プライベート・エクイティ・ファンドで投資のプロフェッショナルをしておられる、
慎 泰俊さんの著書。
日経 BP ONLINE で彼の記事を読んだところ、本書が紹介されていたので、買ってみました。
そもそも、彼の記事にたどり着いた理由は、
親の所得と子どもの学歴に関連性がある理由を考えて、
Web で記事を検索していたからなのですが、
この本を読むと、親の所得うんぬんより
きちんと子どもを愛してくれる親の下に生まれる重要性が良くわかります。

慎さんは、投資のプロとして活躍する傍ら、
NPO Living in Peace を運営されていらっしゃいます。
この団体は、メンバーが本業の傍ら「貧困の削減」を目指して何らかの活動を行っています。
タイトルの「働きながら、社会を変える。」は、そこからきているものです。
そして貧困の中でも「子どもの貧困」に焦点を当て、
子どもたちのために何が出来るかを考えていくうちに
児童養護施設と関わっていくようになります。
当初は、聞いた話が本当かどうか、実際に目で観に行こう、というような
軽い気持ちでのスタートでしたが
だんだんと、施設と子どもたちとに深くかかわっていくようになります。
投資のプロとして、子どもたちに出来る最善のことを探り、
それを提供するまでの過程が書かれています。

とても良くまとめられていて、読みやすい本です。
重い内容にもかかわらず、あっという間に読んでしまいました。

子どもは親を選んで生まれてこれない。そこが一番の問題のようです。
だからといって、その問題を解決できるかというと、それは難しいと思いますが。
そもそも、人為的に親を選べるようにしたところで、その親が一生良い親とは限らなかったりとか
病気で早くに亡くなってしまう場合もありますしね。
身近な例で言うと、姪は義妹ががんの治療中に、一時期施設にいたことがあります。
治療の甲斐なく義妹が亡くなってからは、祖父母と一緒に暮らして
父親とはたまに会う生活です。
彼女と我が娘とでは、いとこ同士であるにもかかわらず、人生の背景が全く違います。
それは彼女の性格にも少なからず影響を与えていて、
彼女は周りの大人が何を考えているか、常に気を配っています。
ですが、それが学業にどのような影響を与えているのかは、今のところ不明
というか、実は姪の方がよっぽど優秀な感があります。勉強に熱心に取り組んでいますし。
つまりは、親の所得と子どもの学歴には、確かに関連性があるのだけれど
それはリサーチの結果現れた断片的な情報に過ぎなくて
親(または親以外の扶養者)が子どもとどのように向き合うかが、
あらゆる面で子どもに大きな影響を与えるように思いました。

だんだん話が本書の内容から外れてきていますが、本書をお薦めいたします。
子どもの貧困だけでなく、世の中に対して自分が何かしたいときに
どうやってボランティアを始めたらよいのかの目安みたいなものも分かります。








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