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からくり民主主義 [活字中毒のトモ]


からくり民主主義 (新潮文庫)

からくり民主主義 (新潮文庫)

  • 作者: 高橋 秀実
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/11/28
  • メディア: 文庫


弱くても勝てます」が面白かったので、高橋さんの本をもう 1 冊買ってみました。
ですがこちらは・・・結局言いたいことが何なのか、よかわからない本でした。

まず「からくり民主主義」ですが、からくり + 民主主義ではなく、
からくり民主 + 主義というとらえ方が正しいそうです。
どういうことかというと、民主主義の「民主」は、
国民が主役であり皆が平等という基本コンセプトがあるけれど
いろいろと矛盾があって、全員が主役になると主役はいないのと同じなので
矛盾を解消するために「からくり」が必要だよね?ということらしいです。
そしてからくりが介在している民主主義の例として、
統一教会や若狭湾原発問題、横山ノック知事のセクハラ事件などが挙がっています。
沖縄米軍基地問題も、第 6 章で取り上げられています。
ですが取材が丹念すぎるからか、何を言いたいのかイマイチ明確になっていない感じで
高橋さんの意見があまりわかりませんでした。
どのテーマも「いろいろなことを言う人がいて、どっちつかずになって
結局はなあなあで片付けられている」問題ばかりなのです。
つまりこういう現状が「からくり民主主義」だと言いたいのでしょうか?
それを書籍にしてみて、どのようないいことがあるのか?分かりませんでした。
何ともならないことを「何ともならないねえ・・・」と締めくくるために、この本を書いたの?
あとがきで、奥さまに推敲してもらった際、
「自分の考えはないのか」「人のセリフに頼るな、卑怯者!」
と恫喝されたと明かしていらっしゃいますが、私も同じ感想を持ちました。
恫喝されても、まだこの程度・・・?
きっぱりとした意見がないので、イライラします。

ただ扱った題材の中に、樹海がありまして、この森の実態を興味深く読ませていただきました。
本当に樹海で自殺しようとする人って、多いんですね。
木からぶら下がったままの遺体を本当に見れるらしいです。

後味があまりよくない本なので、人にはお薦めしません。




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