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わたし、解体はじめました [活字中毒のトモ]


わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─

わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─

  • 作者: 畠山千春
  • 出版社/メーカー: 木楽舎
  • 発売日: 2014/03/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


この方の生き方に興味を持ったのは、夫がシェアしてくれたこの画像がきっかけでした。



スピーチのうまさと話しの内容の面白さに、すっかり惹きつけられ
他にも彼女の発信したものを見てみようと思って調べたところ、本書に行きつきました。
彼女は現在、福岡県で古民家を改修した「糸島シェアハウス」にシェアメイトと住み
毎日の暮らしを満喫されているようです。
エネルギー、食べ物、仕事(お金)の自給をテーマに、色々なことに取り組んでいるんだとか。
シェアハウスに暮らす人々には、みんなそれぞれ役割があり
彼女の担当は、猟師とライターだそうです。
20 代女性が猟師・・・とても斬新で、これだけで話のつかみとしては十分な感じです。
そんな彼女が、自分が猟師になったきっかけや、一人前になるまでの経緯をつづったのが
この本です。巻末には解体と狩猟の入門ガイドも掲載されています。

読んでみて思ったのは、畠山さんが自分のしていらっしゃることを誰かに伝えたいという
強い気持ちが、文章にあふれているということでした。
自給自足はともかくとして、解体ガイドも載せてしまうなんて
使い方によっては、なかなか恐ろしい本だと思うのですが
おそらくこの方、それも承知の上で、とにかく自分の体験を多くの人に伝えようとしています。
何かに突き動かされているような感じすら受けます。
また、自分の行動に人を巻き込むのがとても上手です。
巻き込まれた人は、巻き込まれたと思わないかもしれないくらいに
他人に何らかの影響を及ぼすのが上手な人だと思いました。
私はそういうのできないので、シェアハウスを運営しようという気がしませんもん。
何につけ、エネルギーが足りない私の場合、目指すは社会から隔離された独り暮らしですし
自給自足をするとなったら、肉ではなくて魚を取ろうとすると思います。
それに比べて猟師をしようと思い立つ畠山さん、発散するエネルギーの量が半端なく多いです。

きっとこの本に書かれていることは、読み手によって賛否両論が上がると思います。
結構辛辣な批判も出ると思います。
それでもこれを発信される、ひたむきさにエールを送りたいです。
本の帯には、乙武 洋匡さんのコメントがあり
「"伝える" ことを何度も躊躇しただろう。それでも彼女は "伝える" ことを選んだ。
次は、私たちが "受け取る" 番だ」
と書かれています。
やっぱりそう思われますよね。帯にこんな風に書かなくてはならないくらい、
この本に書かれている内容は読み手を選びます。
乙武さんみたいに、すべての人が上手に受けてくれると
世の中もっとよくなると思うのですが・・・どうかな。

自分で狩った動物のお肉を食べる時は、多くの量を食べなくても満ち足りると
書いておられたのが興味深かったです。
生きていたことを実感できると、バカ食いしなくなるんですね。
スーパーで売られている肉だと、それは実感できないかな?
野菜にしろ肉にしろ、別の命をいただかないと生きていけないことには変わりないので
「食べる」という行為は、考え始めてしまうときりがないとも思いました。
結局は、自分が思うところに行きつくしかないんじゃないかと。
ですがそもそも、食べるということについて考え、何かを選択できるという事実が
恵まれた話なんですよね。

さて今日の晩御飯は、何にしようか・・・。
考えるだけで楽しくなります。






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