ゼロから始める都市型狩猟採集生活 [活字中毒のトモ]
「TOKYO 0円ハウス 0円生活」でおなじみの、坂口 恭平さんの本です。
この本では、農村ではなく都市で、どのようにしたら
食料や住まいをタダで確保して生きていけるのかが語られています。
マーク・ボイルさんの「ぼくはお金を使わずに生きることにした」の東京版?
いやボイルさんはトレーラーハウスを譲り受けて暮らしていましたから
それ以上に「住まい」にこだわらない暮らしが紹介されている気がします。
この本では、住まいもなく職業もなくても、都市できちんと暮らしていけることが証明されています。
なんといっても、実際にそのような暮らしをしている人が、本書にはたくさん登場して
坂口さんに 0 円で暮らすノウハウをいろいろと教えてくれています。
工夫すれば、衣類も食材も、何でもタダで手に入るそうです。
読んでみて思うのは、0 円で暮らす人たちの、コミュニケーション力の高さです。
何かが必要となったら、実に様々な人たちと交渉を重ねて、
本来はお金を払わなければいけないところを 0 円で手に入れていらっしゃいます。
こんなに交渉力があるんだったら、社会生活から離れなくても
みなさん立派にやっていけるんじゃ・・・?みなさん、たぶん私よりもうんと社会生活に
向いていらっしゃると思いました。なのに社会から離脱して暮らすことを選択して
心穏やかに生きていらっしゃる。これはある意味特権的なことかも。
私には、お金を払わずにものを入手できるほどの、コネや交渉力がありません。
だから無難にお金で解決しているのよね・・・こんな単純なことに今まで気づかなかったのか?
いや気付こうとしなかっただけかもしれません。
お金のない社会では、コミュニケーション能力の高い人が有利である
という事実がよく分かった本でした。
本書の主旨は、こんなところにないことは、百も承知ですが
自分が何でもお金で解決できる社会になじめないなあと思っていたのに
いざお金が無くなることになったら、やっぱりその社会では上手に生きていくことができずに
野垂れ死にすることが予測できて、暗い気持ちになりました。
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