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星の王子さま [活字中毒のトモ]


星の王子さま

星の王子さま

  • 出版社/メーカー: ゴマブックス株式会社
  • メディア: Kindle版


昨日公開された映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」を、娘が観たがっています。
なんでも彼女は、小さいころに「星の王子さま」を読んだので
「絶対泣ける!」と確信しているのだそう。
星の王子さまねえ・・・有名だけど読んだことないな・・・Kindle で無料で読めたりしないかしら
と思ってい探したところ、無料ではムリでしたが、97 円でダウンロードすることができました。
娘は「大きな絵本で読んだ」と言っていますが、この本はいたって普通のデジタル書籍で
絵の部分をクリックすると拡大表示してくれるのが、良いところです。
拡大した絵を見ながら、大きな絵本を読んでいる気分になりました。

子どもの頃に描いた絵を大人に理解してもらえず、絵描きになることを断念した「私」は
大人になってパイロットになりました。あるときサハラ砂漠の上空を独りで飛んでいた時
飛行機のエンジンが故障して、砂漠に不時着します。
一週間分の飲み水さえ十分にない中、なんとか飛行機を修理して
自力で砂漠を脱出しなくてはなりません。たった独りですべてを抱え込んで
頭がいっぱいになっているところへ、星の王子さまは現れるのです。

「ねえ・・・・・・。ヒツジを描いてくれない?」

42 歳になった今、この本を読んでみて思ったのは、話があやふやすぎて、
どうとでもとれるな、でした。
ある意味ずるい本です。
読んで泣けたか?と言われると、そんなことはなくて
何をどう考えていいのやら、全くわからない、読んで幸せな気分になりたいと思えばなれるし
なりたくないと思えば、ただ悲しいだけの本だと片付けてしまうこともできました。
ただし作者のサン・テグジュペリは、この本を親友のレオン・ヴェルトに捧げており
その理由が「子供のための本でもきちんと理解できる大人だから」だそうです。
だとすると、サン・テグジュペリは、子供の頃に理解されなかったもどかしい気持ちを本にして
それを親友に贈っただけ?
なんだか「自作の絵や歌を恋人に贈る痛い人」と同じ箱に入る気がしてきました。
こんなふうに、斜めに構えてはいけないんですよね、たぶん。

とはいえ、子供の頃に理解してもらえなかったもどかしい気持ちというのは
たいてい誰もが持っているもので、この本を読むとそれが癒される効果があるのかもしれません。
私だって子供の頃、理解してもらえないことが多すぎて
「理解してもらえなかったことを大人になるまで覚えていて
自分が大人になったら子供をこんな気持ちにだけはさせるまい」と思っていました。
その基準は今もあまり変わっていないのですが、果たして娘に届いていたかな・・・?
最近の娘は、もう私と対等に話をするようになりましたので
彼女が何をどうしたいのか、真正面から問いかけて、きちんと回答が返ってくるので
理解できていないんじゃないかと考える機会が減りましたが。

映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」には、老人になったパイロットの「私」が登場します。
あれからいくつもの経験を重ねて、私が星の王子様との出会いと別れを
どのように処理したのか、確かにちょっと興味があります。
今度夫を誘って、観に行ってきます。




星の王子さま―オリジナル版

星の王子さま―オリジナル版

  • 作者: サン=テグジュペリ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/03/10
  • メディア: ハードカバー



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