カラスの教科書 [活字中毒のトモ]
東京大学総合研究博物館にお勤めで、「カラスの行動と進化」をテーマに研究しておられる
松原 始さんの著書です。
新聞でこれの後続本である「カラスの補習授業」が紹介されているのを読んで
面白そうだと思ったんですが、そうなると補習授業ではなく教科書から読まねば・・・
と思って、気軽に Amazon で 2 冊とも購入してみました。
ところが本が届いてびっくり
分厚い!!
なんと 400 ページもある本だったのです。
ですが紙質がペーパーバックに似ていて、分厚い本の割には持ち運びやすかったので
通勤かばんに入れて何日も持ち歩いていました。
できれば Kindle 版を売っていただきたかったですが、今のところなさそうです。
分厚いのにもめげず、毎日持ち歩いて熱心に読んだのは
ひとえに面白かったからです。カラスって研究すると、奥が深いんですね。
本書は主に 4 つの章で構成されています。
第 1 章: カラスの基礎知識
第 2 章: カラスと餌と博物学
第 3 章: カラスの取扱説明書
第 4 章: カラスの Q&A
都会にカラスが多いのは、人間の食べ残しをエサにしているからなのですね。
鳥類は人間よりも、はるかに食事回数が多くなくてはいけないらしいです。
子どもの頃セキセイインコを飼っていたのですが、そんなに食べていたかしら
・・・いや、食べていたかも。手乗りでしたが、外に出ると必ず
私と食べものを分け合っていた気がしてきました。体温が高い分、維持費がかかるんですね。
あと意外と数が増えない(雛が無事に巣立つ率が低い)というのも意外でした。
なんとなく、カラスはたくさんいるイメージだったので。
逆に駆除しようとしても、あまり減らない、というのも意外でした。
人間ごときの浅知恵では、カラスの生態系を崩すのはなかなか難しいようです。
日本にいるカラスはみんな同じ種類であると思い込んでいた私でしたが
400 ページにわたって松原さんのおしゃべりを聞いて(いや読んで)も
まだもうちょっと聞いてみたいかも、と思ってしまうくらい
文章がまるで語りかけてくるようで、読みやすかったです。
なんだか本当に、カラスが好きなおじさんの話を、相槌を打ちながら聞いている
という文章が本当にふさわしい感じで、1 冊飽きずに読み切ることができました。
ただ、カラスが鳩を襲っていた話のところだけは、あまりにエグイ描写だったので
思わず本を閉じたくなりました。
本はお薦めしますが、この描写だけは・・・リアルすぎてダメです。
絶対現場に遭遇したくないと思いました。
私が住んでいる那覇市内では、カラスを見かけることはないので
この本を読んでも「あ!あれはハシブト!!」とか言うチャンスはないはずなのですが
カラスにがぜん興味がわいたので、
続けて 補習授業 の方も読み進めようと思います。
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