任侠学園 [活字中毒のトモ]
「任侠書房」の続編です。
任侠と人情を重んじる正統派のヤクザ、阿岐本組。
そんな組を率いる阿岐本雄蔵は、度胸も人望も申し分のない頼れる組長なのですが、
ひとつ欠点がありました。それは、ヤクザなのに文化的事業に何かと関わりたがることです。
前回は出版社でしたが、今回阿岐本が引き受けたのは、つぶれかかった私立高校の運営でした。
心配性の代貸、日村の心配の種がまた 1 つ増えたのでした。
日村は学校にどうもいい思い出がないようで、学校へ行くのをかなり渋っていますが、
阿岐本組長をはじめとする他の組員は、例によってウキウキしながら学校に関わろうとします。
実際に学校を訪れたところ、かなり荒れた学校で
割れた窓ガラスを修理したり、花壇を整備したり、落書きだらけの校舎を掃除するなど
ハード面をきれいにするところから、改革は進められます。
ヤクザがもくもくと花壇の整備をしたり、身体を張ってガラス割りの犯人を捕まえたり
なんだか想像よりも地味な作業をしてばかりというか、
一般人には手を出してはいけないのに、いざとなったら身体を張らないといけない
ヤクザって割に合わない職業(?)だと思いました。
日村のような暮らしより、一般人でいる方がよっぽど楽です。
なんでヤクザなんてやってるんでしょうね?
そろそろ足を洗ったらどうなのか?
でも足を洗ってしまったら、次のお話がなくなってしまうので
それは困る。というか、次のお話である「任侠病院」も
おもしろいお話なので、できればシリーズ化してずっと続編を書いていただきたいのです。
今までのスパンを見ると、続編が出るまでに 3~4 年あるようで
「任侠病院」が出てからは 5 年ほど経過しています。
そろそろ続編出ないですかね?
すべてのお話を読みたい作品に、久しぶりに出会いました。
コメント 0