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ヒトは「いじめ」をやめられない [活字中毒のトモ]


ヒトは「いじめ」をやめられない (小学館新書)

ヒトは「いじめ」をやめられない (小学館新書)

  • 作者: 中野 信子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2017/09/28
  • メディア: 新書


脳科学者、医学博士、認知科学者の中野 信子先生の著書。
この方の著書を読むのは初めてでしたが、もう読まないと思います。

タイトルのヒト(片仮名)から推測すべきでした。
この本は一貫して「人間というものは、基本的にいじめをやめられない」
という観点で書かれています。
何をどうしても、人間はいじめをしないようにはならないらしいです。
というのも、人間がいじめをする原因は、愛情ホルモンの「オキシトシン」であり
このホルモンは愛情を深める一方でいじめを助長するのだそうです。
いじめの原因だからといって、
ホルモン療法などで効果をなくしてしまうわけにはいかないと。
また安心ホルモンの「セロトニン」や快楽物質「ドーパミン」も
周りの人と違う人を排除したり、
間違っている人を正すと落ち着きや快感をもたらすことから
いじめの原因となるそうです。
つまり「他人を社会的に排除する」行為は、人間が生物として
生存率を高めるために身につけた「機能」なのだそうです。
いじめがなくならないのは、そこに何らかの必要性や快感があるからなのだとか。

・・・ちょっと待て。人間のこんな基本的な仕組みを言い訳にして
いじめはなくならないと決めつけるってどういうことなの?

百歩譲って、ヒトが他人をいじめる原因がそこにあるとしても
そこまで分かっているのだったら、
防止するような手を考える方向に持っていけませんかね?
いじめはホルモンのせいなの、だから絶対なくならない
って、こんなことを本に書いて堂々と言い切ってしまうことこそ
究極のいじめではないですか?

犯罪だって、なかなかなくなりませんが、
「なくす方向で」色々と試行錯誤が繰り返されていますよね。
いじめだって同じように、
あきらめないで「なくす方向で」試行錯誤すべきことだと思います。

一応最後の方に「なくす方向で」のアドバイスがいくつか書かれています。
クラス替えを頻繁に行い、科目ごとに習熟度を分けて授業を実施することで
人間関係の記簿化を図ったり、
構内に監視カメラを設置したり、学校に警察権を導入することなどを提言されています。
これらについては基本的に賛成です・・・というか、まだ本でこんな提言がされているに
とどまっているという事実にびっくりです。
こういう対処法を実施しながら、脳科学的に何らかのアプローチがされるように
研究が進められている、という状況であれば、もう少し賛同できますが
人間の構造的にいじめは排除できないから、学校に監視カメラつけようぜ?
うーーん・・・もうちょっと根本的な解決策はないんですかね。
たぶん違和感のもとはココ↑にあります。
いじめの対処策が監視カメラの設置や警察権の導入であれば
脳科学いらないじゃないですか。



ヒトは「いじめ」をやめられない(小学館新書)

ヒトは「いじめ」をやめられない(小学館新書)

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2017/10/03
  • メディア: Kindle版



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