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福翁自伝 [活字中毒のトモ]

新訂 福翁自伝

新訂 福翁自伝

  • 作者: 福沢 諭吉, 富田 正文
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1978/01
  • メディア: 文庫


*読みごたえ  80 点
*コストパフォーマンス  80 点

壱万円札でおなじみの福澤 諭吉さんが、老人になってから、
自分の半生を口述し、
速記者に書き取らせて時事新報に掲載させたものだそうです。

福澤 諭吉さんといえば、「慶應義塾大学を作ったおじさん」
ぐらいのイメージしかありませんでしたが
この自伝を読んでみると、
彼はオランダ語や英語に堪能で、
翻訳者として幕府の外国方(現在の外務省)に雇われていたそうです。
そしてその傍らで、自分の知識を若者に教えていたようです。
(これが後に慶應義塾大学の基礎となった)

かなりの酒飲みで、若いころは相当いろいろやらかしたことや
しきたりを重んじないラフな性格、
血を見るのが嫌いだったことや、幕末には暗殺の恐怖におびえていたことなど
さばさばと語られていて、
壱万円札のおじさんに親近感がわきました。

現在なら、どこにでもいそうな学習塾経営のおじさん、て感じです。
あの時代に革新的な私塾を作り、
教育に熱心に取り組んだ人だから、有名なんでしょうか。

おもしろかったのが、
幕末から明治維新にかけての世の中の情勢を
福澤さんが、かなり細かく語ってくれていることです。
「桜田事変」とか「生麦事件」とか
日本史の教科書でちらっとしか書かれていない出来事が
当時どれほど衝撃的なことだったのか、よくわかりました。
これらの事件を生で知っている人は、もう既にご存命ではないので
こういう赤裸々な文献は、とても貴重だと思います。

余談ですが、
最近読みかけたまま、先へ進めない本が 10 冊くらいたまっています。
読書のスピードが落ちているようです。
読みながら、余計なことを考えるのがいけないんでしょうか。
かといって、速読をマスターする気にもならず。


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