江戸時代はエコ時代 [活字中毒のトモ]
*読み応え: 70 点
*コストパフォーマンス: 80 点
現在、エコだのグリーンだのという言葉が名前についた、
自然環境を考えた暮らしや行動、技術などに注目が集まっていますが
江戸時代の暮らしは、太陽の恵みをふんだんに利用し
廃棄物がほとんど出ない、まさに「ゼロ・エミッション」の暮らしだったということを
たくさんの浮世絵とともに紹介してくれる興味深い 1 冊。
人間や家畜から得た肥やしを使って田畑を豊かにし、手作業で作物を育てる農法、
借家に住んでいても、1 月分の家賃は 1 日働けば賄える住環境、
子供は早いうちから奉公に出すので教育費もそれほどかからなかったこと、
揉め事も自力で解決しようとシステムだったことから
江戸には巡査役が 12 人しかいなかったこと等々、
江戸での効率よい暮らしぶりを紹介してくれています。
また人間の身体というのは、きちんと筋肉を労働で使うように
作られているので
利便性のみを追求して、石油をふんだんに使用して楽をするよりも
昭和 30 年代程度まで生活レベルを下げた方が
人体の為にも良いよ、というようなことが書かれています。
興味深かったのが、
当時の日本の経済システムが
「地方が作り、江戸が買う」
というしくみになっていたという記述です。
「宵越しの金を持たない」と言われた、きっぷのいい江戸っ子は
給料が手に入ると貯金をせずに、
地方から運ばれてきた名産品をたくさん買ってくれたそうです。
これって、少し前までの
「世界が作り、アメリカが買う」
というグローバル経済の縮小版ではないでしょうか?
現代はもちろん、ゼロエミッションの世界ではないですけど。
この構図が崩れた今、次がどんな時代になるのか
ますます楽しみになりました。
近々、明治維新並みにすごいことが起こるかも?
なんかエコとは違う方向に興味がそれましたが
これからどのような時代が来るのかを考える際に
ちょっとしたヒントになりそうな 1 冊です。
結構あっという間に読めますので、休憩時間などにお勧めです。
2009-02-20 12:35
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