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カラマーゾフの兄弟3 [活字中毒のトモ]


カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: ドストエフスキー
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/02/08
  • メディア: 文庫


*読み応え: 90 点
*コストパフォーマンス: 60 点
カラマーゾフの兄弟2 を読了後約半年振りに、続きを読みました。
カラマーゾフの兄弟2 は、
キリスト教に関するイワンの講釈(Wikipedia によると、「大審問官」という
カラマーゾフの兄弟の中でもっとも有名な部分だったらしいですが)
がどうも苦手で、読むのにものすごく時間がかかりました。
そのせいで、3 を読みたいとなかなか思えなくて
半年間も本棚の肥やしにしていたのでした。

ですが、読み始めてみるとすごい!
息つく暇もないほど、集中して読み終えました。

第 3 部は、ゾシマ長老の死後、
「聖人」と言われていたゾシマ長老の死体から腐臭がして大騒ぎになるところから
フョードル・カラマーゾフが何者かに撲殺され、
カラマーゾフ家の長男ドミートリーにその嫌疑が掛けられ、勾留されるところまでです。

この巻になると、登場人物がそれはもうダイナミックに動き始めます。
特に、長男ドミートリーがすごい。
第 3 部は、ドミートリーの 2 日間の観察記録と言っても過言ではないかもしれません。
(「過言」ではないけど、「観察記録」じゃドストエフスキーに怒られそうだ)
彼は・・・なんというか、猪のようなイメージがあります。
思い込んだら一直線で、とても行動力がありますが
その行動はムダだらけで、読んでいる間に
「この人、不毛なことにエネルギー使ってんなぁ」
と思うことがしばしばです。

また、同じ時間に同時進行で動いている
ドミートリーの兄弟の行動も平行して頭の中で再現してみると
ただ文章を読むのとはまた違ったおもしろさがでてきます。
どうも、ドストエフスキーさんは読者がこの作業をすることを
期待して本書を書いているフシがありまして
文中に何度か、
「これはちょうどアリョーシャが・・・」とか
「イワンとアリョーシャが・・・している間に」のような説明が入り
兄弟 3 人の行動が平行して分かりやすいようになっています。
これが、話の奥行きを深くしていて、ますます引き込まれます。

さて、勢いがついてきたので 4 巻も続けて読もうと思います。
ですが、4 巻は他の巻に比べてとてもぶ厚いので、
こちらもやっぱり時間がかかりそう・・・。
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