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英語を子どもに教えるな [活字中毒のトモ]


英語を子どもに教えるな (中公新書ラクレ)

英語を子どもに教えるな (中公新書ラクレ)

  • 作者: 市川 力
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2004/02
  • メディア: 新書


親の仕事の都合などでアメリカに連れてこられた日本人の子どもたちを
学習塾の講師という立場で 13 年間見続けた著者が
早期英語教育の無効性を説いている本です。

昨今、英語だけに限らず早期教育はとても盛んで
子どもが小さいうちから、
いろいろと知識を詰め込ませるのが好きな親が多いようですが
こと英語に関しては
いくら早期から英語を学ばせても発音が良くなるだけで、
ありとあらゆる場面でコミュニケーションが成り立つような
真のバイリンガルを育てることは出来ないし、
むしろ大切なのは、日本語できちんと物事を考えることが出来る力であって
それがあって初めて、第 2 言語が実際に使えるようになる、そうです。

私たちは、「帰国生」というと、
異文化に慣れ親しみ、2 ヶ国以上の言語を操れるお得な人
という印象を持ちがちですが、
幼い頃に、親の都合でアメリカに来てしまった子どもたちの多くは
よっぽどの努力をしない限り
2 ヶ国語どころか、日本語すら怪しい「セミリンガル」になってしまうようです。

日常会話レベルを超えて英語を使いこなせるようになるには
まず日本語をしっかり使えるようになった高校生くらいの年齢より後に
一定期間英語漬けになって、死ぬ気でトレーニングすれば
(たとえば、アメリカの大学に入学するとか)
なんとかなる、とも書いてありました。

私は、この本に書かれていることは、本当だと思います。

私自身、帰国生ではありませんが、
英語を使うのにそれほど苦はありません。
英語なんて、要は「相手に何を伝えたいか」がはっきりしていれば
何とかなると思います。
それと、高校や大学時代に、帰国生の同級生も何人かいましたが、
「どの人もバイリンガル」というわけではなく
いろいろな人がいました。
また、今娘を育ててみると
彼女は 11 歳になるというのに、日本語すら怪しいです(^^;
英語も教えるなんて、とてもとても。
言葉の基礎がしっかり出来上がってもいないのに、
第 2 言語を教えようなんて考えもつかないほど
彼女の日本語は不安定です。
(これはこれで、また別の問題かもしれません。
娘はおそらく、言語のセンスが平均以下なんだと思います。
もう少し時間をかけて会話越しにトレーニングを続けながら
他の個性を伸ばしていけば問題ないので、
まあ、長い目で見て行こうと思ってはいますが)

↑これらの経験を踏まえると、
この本に書かれていることは本当に正しいし
うまくまとまっている良書だとお奨めできます。
子どもの早期英語教育に興味を持っている方は、
是非参考になさってください。





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