テンペスト 第一巻 春雷 [活字中毒のトモ]
琉球王朝末期の時代を舞台にしたファンタジー小説。
作者の池上 永一さんはうちなーんちゅということで、
ファンタジーながらも、歴史的に違和感のない文章がよどみなく続きます。
夫が、以前から読みたがっていました。
今回、文庫が全 4 巻刊行されたので、ようやく購入しました。
(ですが、夫は 1 巻にして読むのを挫折したようです・・・)
王宮で眠る龍が、千年に一度目覚めて交尾を行う夜に
落ちぶれた士族の家に一人の女の子が生まれました。
聡明なその子は後に、出来の悪い兄に代わって
性別を偽って科試を受け、王府の役人となるのですが
さまざまな試練が襲いかかります。
男ばかりの世界で女の子が知恵を使って苦難を乗り越えるお話なので
なんとなくムーランを彷彿とさせます。
ですが、後宮でのどす黒い権力争いとか、
薩摩と清国にはさまれて、独自の路線を切り開かねばならない
琉球の治世の難しさとか
いろいろな背景が、ムーランよりもっと話を膨らませてくれます。
文体が軽いので、読むときもかるーく読み流せます。
私は首里城に行ったことがあるので、王宮というと今の首里城をイメージしてしまいますが
このお話に出てくる王宮はもっと豪華絢爛な感じです。
その時代に生きていなかったので、実際どうだったのか判断しかねますが
文章から、華やかだが危うい王宮の様子が簡単にイメージできます。
このテンペスト、来年舞台化されるそうで
仲間 由紀恵さんが主人公の寧温(真鶴)を演じるそうです。
舞台「テンペスト」のホームページは こちら。
舞台版では、聞得大君は男性になっているんですね。
どういう風に話をつなげていくのか、ちょっと興味を持ちました。
・・・が講演会場は東京と大阪でした。
今のところ、沖縄ではやらないようです。残念。
国立劇場あたりでやってくれたら、観に行きたかったのにー。
今年の年末年始の休暇は、テンペストを活字中毒の友にしようとおもっています。
文庫であと 3 巻ありますが、読了できるかな・・・。
タグ:テンペスト
コメント 0