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すばらしい新世界 [活字中毒のトモ]


すばらしい新世界 (中公文庫)

すばらしい新世界 (中公文庫)

  • 作者: 池澤 夏樹
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 文庫


どこぞのサイトに書かれていた、この本の紹介を読んで
面白そうだと思って購入しました。
いつものごとく、購入したまま数年が経過。
今回、飛行機の旅の友として読み始めました。
ですが、全部で 723 ページもあるぶ厚い本なので
旅が終わっても読みきれず、読みおわるのにかなりの時間がかかりました。

主人公の天野森太郎は、とある企業で働くサラリーマン。
技術屋で、風車の開発に携わっています。
そんな彼が、ひょんなことからネパールで活動する日本の NGO の誘いを受け
途上国でも普及するような、小型の風車を開発し
現地での設置作業やメンテナンス作業員の教育にも関ってゆきます。

読んでみると、なんていうことはないというか
話は意外にも盛り上がらず、終わりもあっさりとしたものです。
特に感動するわけでもなく、特に感情が高ぶるわけでもなく。
ですが、私はこの本好きです。
おそらく作者である池澤 夏樹さんの
外側から全体を眺めるような物事の見方に共感を覚えるからです。
池澤さんは、現在は故郷の北海道に戻られたようですが
1993 年から 2005 年まで沖縄に住んでおられたそうです。
「すばらしい新世界」は、2000 年に発表されていますから
沖縄在住中に書かれた本ということですね。
その他にも、世界各地を転々とされておられるようで
たぶんそのせいで、物事を外側から眺める能力が発達しておられるのだと思います。
私は、自分の生まれ故郷と実家と現在の居住地が全く異なる
どこでもアウェイな人間なので、
こういう物事の見方に慣れているというか、基本的にこういう見方しかしないので
本書の一文一文にとても共感しました。

ものすごくぶ厚い本なので、
旅とか、長い休暇中とか
まとまった時間が取れるときにお奨めです。
発表されてから 10 年以上が経過していますが
時の流れを全く感じさせない本です。
ネパールに行く途中で読んだりすると、さらにおもしろいかもしれません。




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コメント 2

Sanchai

以前、ネパールに住んでいたことがあって、知人から「お薦めだよ」と言われていた池澤夏樹さんの作品です。タイトルがわからず、今まで読めずに既に8年も経過しています。タイトルがわかったので、読んでみたいと思います。
by Sanchai (2011-02-26 09:56) 

うしこ

>Sanchai さん

インドだけでなく、ネパールにも住まわれたことがおありなのですね。
実際に住まわれた方なら、読了後にどんな感想を持たれるのかしら。
是非、ブログに書評をアップしてください。楽しみにしています。
by うしこ (2011-02-27 19:02) 

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