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あなたの身近な「困った人たち」の精神分析 [活字中毒のトモ]


あなたの身近な「困った人たち」の精神分析―パーソナリティそのミクロな狂い (新潮OH!文庫)

あなたの身近な「困った人たち」の精神分析―パーソナリティそのミクロな狂い (新潮OH!文庫)

  • 作者: 小此木 啓吾
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 文庫


今は亡き、精神科医の小此木 啓吾先生の著書です。
不思議なタイトルに惹かれて購入しましたが、
これはなんと「パーソナリティ障害」について書かれた本でした。
本書が単行本で出版されたのは 1995 年です。
パーソナリティ障害って、今でこそ割と知られた、
というか私のような一般人でもその意味をなんとなく知っているような時代になりましたが
今から 10 数年前というと、まだまだその認知度は低かったのではないでしょうか。

回避心理とかシソイド人格障害とか、自己愛パーソナリティなど難しい名前のついた性格を
マリリン・モンローやスカーレット・オハラなど、私たちの良く知っている人物を例として登場させ
分かりやすく解説してくださっています。
スカーレット・オハラって、自己愛の塊のような人だったのですね。
なのに何故、今なお読者にあんなに愛されているのか謎です。
今度久しぶりに「風とともに去りぬ」を読んでみようかしら。

また、架空の人物の例でも「いるいる、こんな人」と思わせるような
いかにも「身近な人」(パワハラ上司とか、モラハラ夫にびくびくしながら暮らす妻とか)が出てきて
人を災難に巻き込んだり、あるいは巻き込まれたりしていきます。
例えが分かりやすいので、心理学の本を読んでいるというよりは
お昼のドラマを見ているような気になりました。

そして、プロの精神科医ですら
「このような困った人とは、一定の範囲内で付き合うのはかまわないが
その範囲を超えて深入りすのは避けたほうがいい」
と言っています。そりゃそうですよね。
私だって、攻撃的な人と友だちになりたいと思わないし、自己愛の塊のような人から
こちらの都合を考えずに電撃訪問や深夜の電話をされるのはごめんです。
そういう人と係わり合いになるくらいなら、人付き合いを避けて引きこもっていた方が
よっぽどマシかも。

内容が重たい、専門的な本にもかかわらず、
通勤途中にも読める感じの分かりやすい文章です。
パーソナリティ障害に興味のある人は、入門書に良いと思います。



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