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もし、日本という国がなかったら [活字中毒のトモ]


もし、日本という国がなかったら

もし、日本という国がなかったら

  • 作者: ロジャー・パルバース
  • 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
  • 発売日: 2011/12/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


メルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」の管理人、北野 幸伯さんが、
1/25 付けのメルマガ で「名著だから、是非読んで」と紹介されていた本です。
本書を読むまで、著者のロジャー・パルバースさんを私は全く知りませんでしたが
演劇や演出の方面で活躍されている芸術肌の人のようです。
そして、大学で教授もされてらっしゃるのですね。多才な方です。

スプートニクを見て以来、ロシアに憧れてロシア語を学び
ポーランドに留学までしたアメリカ人パルバースさんは、
そこでスパイ疑惑にかけられ、失意のうちに帰国します。
そんな彼に届いたのは、ベトナム戦争への徴兵のお知らせ。
徴兵から逃れるため、彼は国外脱出を決意したのでした。
そして向かった先が、何も知らない国、日本。
ですがそこで彼は、たくさんの人に助けられながら何十年も暮らし
日本の文化に溶け込んでいったのでした。

そうしてお書きになられたのが本書というわけですが
例えば、私が沖縄にこれから数十年住んだとして
「もし、沖縄という島がなかったら」みたいなタイトルで本を出すかというと
そんなおこがましいことないだろうと思うので、ちょっぴり不思議な気持ちで読みました。
これは外国人から見た日本論?・・・というには日本のことをとても良くご存知で
日本を愛されているのが伝わってくるのですが、だったらなぜわざわざ
日本人でもない彼が「日本ってこんなにいいところがあるんだから、頑張ってよ」
みたいなメッセージを伝えたいのかが良くわかりませんでした。
そんなこと、言われなくても、日本人はたぶん分かっているんじゃないかなあ。
まあ、一応日本人である私も、きっぱりと断定はできないわけですが。

昨年の大震災の際に、非常時の日本人の礼儀正しさが海外で話題になったというニュースを
Web でたくさん見かけましたが
みんな本当にそんなことを話題にしていたのかどうか分からないというか
もし本当に話題になっていたとしても
「人が金庫で大切に保管しているお金を盗まなくて偉いね」とか
もっと言えば「毎日朝独りで起きて偉いね」レベルの
何言ってんの、あたりまえじゃん?ということを「良いこと」として話題にされているのが
アホらしいと思ったのですが、
本書を読んで、それに近い感覚がありました。

日本に長く暮らした外国のおじさんのエッセイだと思って、軽く読むのがお奨めです。



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