SSブログ

未来国家ブータン [活字中毒のトモ]


未来国家ブータン

未来国家ブータン

  • 作者: 高野 秀行
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/03/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


So-net ブログで私と同じように本のブログを書いておられる、
Sanchai さんが 紹介されていた本 です。
「同じように」とは言っても、彼のブログは本をテーマにするブログの中では
かなり人気が高く、常にランキング 1 桁をキープされている良ブログですので
比べてしまってはいけないのですが・・・。

ブータンに関して書かれた本を読みたいと思っていたのです。
なにせ、ブータンと言えば「世界一幸せな国」と大絶賛される国です。
ですがひねくれた性格の私は「世界一幸せ」って、何を基準にそう言えるのか
良く分からなかったのです。
ブータン在住の日本人の方のブログをいくつか見てみましたが
写真を見てもあまり「幸せ」な感じは伝わってきませんでした。
そもそも私にとって「幸せ」ってなんだ??

著者の高野 秀行さんは、
「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」
がモットーの、辺境作家だそうです。
高野さんは友人から、生物資源の開発プロジェクトを立ち上げるための事前調査を依頼され
現地の伝統知識や状況を調べるために、ブータンへ入国します。
さて、そこで彼が見た「ブータンの真実」とは・・・?

非常に読みやすいのですが、内容が濃くて、読むのにとても時間がかかりました。
飽きずに読めるのですが、情報が豊富で、なかなか先へ進むことが出来ません。
実際に体験したことを、上手に文章にしていらして、すごいと思いました。

高野さんいわく、ブータンは
「日本がひょっとしたら将来こうなったかもしれない未来」を体現している国であるようです。
江戸幕府が、外国からの圧力に屈して開国しなければ
日本はブータンみたいな国になっていたかもしれない、ということです。
そういえば一時期江戸文化がもてはやされていましたからね。
そうかもしれません。日本とブータン、考え方が割と似ているのかも。
私も、本書を読んでいくうちに、確かにブータンでの暮らしに惹かれました。
経済的にもそれなりに、ゆっくりではあるけれど発展を続け
教育も高水準を目指し、さらに国民に「どう生きればいいのか」という葛藤を抱かせない
(逆に言うと、好きな生き方を選ぶのが難しい、ということです)国家。
国民の大半が「幸せです」という背景は、巧妙にコントロールされた社会作りにあったのですね。
妙に納得しました。
幸せって、基準が難しいですからね。
そんなに簡単に GNH(Gross National Happiness)なんて測ることはできないですよね。

生き方を選ぶのにちょっと疲れたら、行ってみたいと思いましたが
観光で行くような国ではないですね。
トレッキングなどを楽しむだけでは、この国のよさは分からなさそうです。
あ、ですが、沖縄とブータンも、割と似ているかも。
ブータンがチベットを助けずに中国から逃げ切ったように
琉球も薩摩の侵攻を退けられていれば、
同じような幸せな国家になったに違いありません。
行ってみなくても、案外近場で再現できるような気がしてきました。






nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 2

Sanchai

ご紹介下さりありがとうございました。
うしこさんのコメント、ナイスです。
by Sanchai (2013-02-27 21:52) 

うしこ

>Sanchai さん

こちらこそ良書をご紹介くださり、ありがとうございました。
ブータンがどんな国なのか、少しだけ分かった気がします。
by うしこ (2013-02-28 05:19) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0