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ツレがうつになりまして。 [活字中毒のトモ]


ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 細川 貂々
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/04
  • メディア: 文庫


夫が最近「会社にいるのがつらい」と言います。
「仕事がつらいんじゃない、会社にいるのがつらい」んだそうです。
彼は今年から、夜中もあまりぐっすり寝られない業務についているので、
無理もありません。やっぱり 24 時間体制で、バックアップがいない仕事なんて
するもんじゃありません。人間、自分が思っているよりずっと、弱いんです。

何年か前に、zu2 さんがこの本の感想をアップされていた
その後ドラマ化や映画化もされたので、本書のことはずっと知っていました。
ですが、自分のツレがうつになったことなんてなかったので、読むことはありませんでした。
今回、自分がまさにタイトル通りの状況に置かれつつあるので
試しに読んでみることにしました。

ツレ(作者の夫)さんは、外資系 IT 企業に勤めるスーパーサラリーマンでした。
仕事に意欲的で、同僚がリストラされても、彼らの分まで仕事を引き受けて頑張っていました。
ですがその状態が半年ほど続いたころ、疲れすぎて仕事が嫌になり
それが原因で失敗が続き、眠れないようになります。
突然「死にたい」と真顔で口にした彼に驚いて、作者が病院へ行くよう勧めたところ
うつ病と診断されたのでした。

その後、会社を辞めて病気の治癒に専念したツレさんが、
どのような経過をたどったのかが、コミックで分かりやすく書かれています。
すぐには薬が効かなかったり、調子がいいので薬を飲むのをやめると揺り戻しが来たり
満員電車に乗れなくなったり、涙が止まらなかったり、起き上がれなかったり
色々な症状と向き合って、嵐が過ぎるのを待つ様子がよく伝わってきました。

うつは「心の風邪」と言われますが、風邪なんてせいぜい 1 週間でよくなるのに
うつとは数か月、数年ベースでのおつきあいになるようです。再発も多いんですね。
そういえば作家の北 杜夫さんは、生涯かけて躁うつ病と向き合っていましたっけ。
病気が治っても発症前とは性格も変わってしまうようなので、
風邪というよりは、成人病に近い感じがします。
患ったら一生付き合っていかなくてはいけない。

幸いなことに、夫は自分が「ヤバい」ことをすでに自覚していて
病院に通い始めました。
貂々さんのように「仕事やめちゃいなよ」と言ってあげたいのはやまやまですが
私にはそのような経済力がありません・・・。


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