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望郷 [活字中毒のトモ]


望郷 (角川文庫)

望郷 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2014/06/25
  • メディア: Kindle版


NHK 連続テレビ小説で「マッサン」が始まりましたね。
日本で初めて本格的なウィスキーを作った人(の奥さん)の話と聞いて
久しぶりにきちんと観てみたいと思ったのですが、なかなか上手に観れていません。
こうなったら、オンデマンドで観るか・・・と思ったのですが、書籍の方がもっと手っ取り早い。
発言小町の こちらの記事 にこの本が心に残る、と書かれていたので
こちらを読んでみました。
読み始めると、本当に面白くて、一気に読んでしまいたい衝動に駆られました。
そんな時間はもちろんなく、おかげで通勤でバス停を 1 駅乗り過ごす羽目になりました。
面白い本に出会うと、たまにやっちゃうんですよね・・・。今まで複数回乗り過ごしています。
私に学習能力はないのかも。

グラスゴーに程近いカーカンテロフでカウン医師の娘として生まれた、ジェシー・ロベルタ(通称リタ)
子どもの頃は大変病弱でしたが、親の決めた婚約者と恋におち
支えてくれる人の存在に助けられて、健康を取り戻していきます。
ところが、第 1 次世界大戦が勃発し、婚約者は徴兵され、亡くなってしまいます。
失意で過ごすリタの家に、妹が大学の友人を連れてきました。
その人こそ、日本のウィスキーの父、竹鶴 政孝でした。
その後 2 人は恋に落ちて、周囲の大反対を押し切って結婚。日本に移り住みます。

月並みな感想ですが、今でこそ国際結婚は珍しくなくなりましたが
この方たちが結婚されたのは 100 年近く前の話ですよね。
本当に、大変だったろうな、と思いました。
ですがお 2 人とも、お互いをしっかり見て、国籍にとらわれずにその人個人を丸ごと愛して
一緒に歩んでいこうという固い意志のようなものが、文章から伝わってきました。
そうでなければ、長い間夫婦でいられないですよね。これは国際結婚に限った話では
ないかもしれませんが、お互いの育った環境が遠ければ遠いほど、大事になることだと思います。

そういえば、本を書かれた森 瑤子さんも、国際結婚でしたね。
ミセス・ブラッキンとしての背景をお持ちだから、国際結婚を題材にして
こんなふうに心をつかむ小説を書けたのかもしれません。
なんというか、日本人と英国人の価値観の違いを、政孝さんとリタさんが
苦労して埋めあっていく様子がリアルに描かれていました。

この本は、ドラマの原作ではないようですが、本当に面白かったので
ドラマの続きが気になって仕方ない方に、お薦めします。





タグ:望郷 森 瑤子
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