嫌われ松子の一生 (下) [活字中毒のトモ]
下巻では、新しいヒモと暮らし始めてから、ますます身を持ち崩す松子が描かれています。
描かれている松子は、なかなかに気の強い人物で、人に向かって命令口調で怒鳴ったりしますし
人の頬をぶったりもしています。なのにどうして、こうも人に尽くしてしまうのか?
熱い性格だと、人に入れ込む度合いも高いのかもしれません。
残念なことに松子が入れ込んだ相手は、松子ほど熱い人たちではなかったようで
浮気をしてお金を使い込んだり、共に生きていく勇気が出なくて松子のもとを去ったりします。
松子もまた、まともな男の誘いには乗らないで、変なヒモについていったりしている。
ですがその辺はなんとなくわかるというか
ついていく条件に男が「まともであること」というのはないのだと思います。
ついていきたい相手についていったら、こうなった。まともな男は、ついていくには
何か条件が足りなかったのではないかしら。
自分で選んだ人生だから、しょうがないよね・・・と言いたいところですが
松子の最期はあまりにも悲惨です。結局弟は、松子を殺した犯人の公判にも来ていない様子。
彼女が亡くなった後も、松子をずっと「迷惑な姉」だとばかり思っていたようです。
彼の息子が、松子の遺品を片付けたのをきっかけに、
彼女の足取りをたどっていくのとは対照的です。
物悲しい気持ちのまま、お話を読み終えました。
フィクションですから、こんなに感情移入しなくてもいいのでしょうが
読んで、とてつもなく物悲しい気分になりました。
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