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SHOE DOG(シュードッグ) [活字中毒のトモ]


SHOE DOG(シュードッグ)

SHOE DOG(シュードッグ)

  • 作者: フィル・ナイト
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2017/10/27
  • メディア: 単行本



世界最高のスポーツ用品メーカー、ナイキの創業者、フィル・ナイト氏の自伝です。
発売当時に Amazon に薦められて購入したのですが、
560 ページもある分厚い本で、読むのをためらっていました。
読み始めるととても面白くて、何日もかかりましたが読了することができました。

この本には、ナイト氏が 1962 年から 1980 年までにたどってきた人生が書かれています。
1962 年は、ナイト氏がスタンフォード大学で MBA を取得して
これから何を始めようか考えていた年です。
MBA を取ったし、さてこれから何をしようか・・・なんて
ずいぶん悠長だな、と思いました。
今の日本では、大学にいる間に就職先を探すのが一般的ですから。
ところがナイト氏は、
そこからさらにお父さんにお金を借りて、世界一周の旅に出るのです。
このくだりを読んで、この人の時間軸は、私とはちょっと違うのだ
面白い人だと思いました。

以来、ずっと靴に夢中になっていらっしゃるのです。
ツテもなく日本へ行き、安くて良い靴を探して販売契約を結んだり
大学時代の陸上のコーチと組んで、靴の改良を続けたり
国内で開催される陸上大会に熱心に通って、
選手に自分が作った靴を履いてもらえるよう頼んだり
ゲームに勝った選手がナイキを履いていると大喜びしたり
ナイキを履いてもらえると思っていた選手が、土壇場になって靴を変えたのを見て
ものすごいショックを受けたり・・・。
もうとにかく、靴、靴、靴。
彼の人生には靴が溢れているし、頭の中は靴だらけなのです。
挙句の果てには、息子が生まれたときも、奥さんは早くに退院できると言ったのに
退院を伸ばしてもらって、1 日自由な時間を作って
自社の靴を履いた選手の試合を観に行ったりします。
家族はあきれたでしょうね。奥さん偉いと思います。

また MBA を取得したのに、経営があまり上手ではないというのには驚かされました。
もしかして・・・MBA って実際に会社を経営するのには
あまり役に立たない?・・・まさか。
ナイト氏は何度も銀行に見限られていますし、何度も会社倒産の危機が訪れました。
債権者が会社に大勢押しかけたこともあったようです。
ですが毎回、土壇場で首の皮一枚つながったような形で、危機を乗り越えたのです。
小切手が不渡りになり、銀行口座の資金が凍結され、FBI に通告されてしまったときに
日商岩井が借金を全額返済してくれたシーンでは涙が出ました。

こんなふうに、ナイト氏の人生は決して平たんではありませんし
実は失言もかなりしています。
なのに、ナイト氏のところには色々な人が集まってきて
またその人たちも完璧ではないことが多いのですが
そこはともかく、彼を強力にサポートしてくれるのです。
実に人に恵まれた人生を送っていらっしゃる。
ナイト氏の人柄なんでしょうね。
映画館で偶然ビル・ゲイツ氏とウォーレン・バフェット氏に会って
立ち話をしたエピソードが書かれていて、ナイツ氏はそのときのことを
「誰かが小声で『おい、見ろよ、バフェットとゲイツだ。もう 1 人は誰だろう』
というのが聞こえた。分からなくて当然だ」
と言っていますが、そんなことはない
彼もとても有名で、人たらしのはずですよ、きっと。

分厚い本なので、できれば電子版で、旅行の友にすると最高です。



SHOE DOG(シュードッグ)―靴にすべてを。

SHOE DOG(シュードッグ)―靴にすべてを。

  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2017/10/27
  • メディア: Kindle版



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