月の裏に望む [活字中毒のトモ]
こちらも飛行機の中で読みました。
旅行中はやはり、実用書より小説を読みたくなります。
Kindle Unlimited からダウンロードできる小説で、
Amazon のカスタマーレビューが星 5 つだったので、ダウンロードしてみました。
下記の 5 つの短編小説(エピローグも含めると 6 つ)で構成されています。
第一章~霊感自慢をする女~
第二章~kasumi~
第三章~桜の散る頃に~
第四章~闇の森に住む男~
第五章~深く、まだ深く~
エピローグ~瞳~
短編小説ですが、オムニバスになっていて
第一章の主人公であるワタベ ショウと、彼の周りにいる人たちには
幽霊が見えたり、他人の恋愛事情を霞を視て判断できたり
不思議な能力を持つ人がちらほらいるのですが
どうやらすごいのは、そのような特殊な能力を持つ人ではなくて
そうでない人たちのほうで、彼らは特殊な能力を持って
生きづらい人たちの心をほぐし、
ちゃんと自分の足で立てるように手助けをしてくれます。
特に好きなのは、ショウの彼女のアケミさんで
とても美人でこんな変な彼氏、相手にする必要ない人なのに
ショウの悩みを一瞬で見抜いて、しかもショウが頑張ったら
彼女になってくれるという、こんな天使のような人間いるのかしら
と思わせる人です(口は悪いけどね)
ショウにアケミさんがいるように、
霞が見えるゆっちゃんには、ゆっちゃんの友人の母であるキョウコさんが
心の闇をほぐして霞に頼らなくても生きていけるよう
手助けをしてくれます。
こういうふうに手を差し伸べてくれる、一見普通の人が
このお話の中ではとても光っています。
だけど、いつも必ず助けてもらえるのかというと、そういうわけでもないらしく
瞳はストーカーのようなシノブさんと、結局、結婚してしまうようなので
瞳はどうして救われないのかしら、
もしかしてお話には続きがあったりするのかしら、ともやもやが残りました。
でも、小説ってこのくらいの方が、いいのかもしれません。
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